宮田さんは国際証券(現三菱UFJ証券)入社後、先物オプション部(トレーダー)、投資情報室(リテール向け情報提供)、エクイティ営業部(機関投資家セールス)を経て、1999年からチーフ・テクニカルアナリストとして活躍している。
三菱UFJ証券のサイトで見ることができる“宮田レポート”。このレポートには為替だけでなく、株価指数・商品・債券など、さまざまな相場のチャート分析が掲載されているが、今回は為替に焦点を当てて、話を聞いた。
■ファンダメンタルズよりもチャートの方が先に動く
まず、宮田さんはどのように為替相場の予想を行っているのか。その立ち位置をお伝えしよう。宮田さんの専門はその肩書きのとおり、テクニカル分析。となると、ファンダメンタルズは考慮しないのだろうか?
「基本はチャート分析です。ファンダメンタルズは無視はしていませんが、それによって見方がぶれることはあまりないです。
為替相場でスポットが当たる要因は金利差だったり、貿易収支だったり、財政収支だったり、その時々で変化しますからね。自分の経験上、ファンダメンタルズ的な要因というのは、チャートが動いてある程度経ったあとに現れることもよくあるんですよ。つまり、チャートの方が早いんです」
■エリオット波動とマーケットが持つサイクルを見る
宮田さんはテクニカル分析の中でもエリオット波動の専門家。あとでもう少し詳しく説明するが、エリオット波動とはR・N・エリオット(1871~1948)が考案したテクニカル分析の理論だ。
“宮田レポート”のページでは、宮田さんがエリオット波動についてこんなふうに熱く語っている。
「エリオット波動」と出会ってから10数年が経ちますが、かつて受けた興奮と感動は今でも忘れられません。複雑に見えるマーケットが一定の法則の下で動いているという概念は、私のそれまでのマーケットに対する考え方を一変させるものでした。
ただ、宮田さんが為替相場の分析をする際はエリオット波動だけを使うわけでもないようだ。
「エリオット波動は本来、株価の値動きをとらえる時に使うのが王道です。為替や債券など、相場に循環的な要素が入ってくる場合はエリオット波動だけというわけにはいきません。それ以外に時間要因も重視します。そのマーケットが持っているサイクルを取り出して、何年周期で動いているマーケットかということを見ていくんです」
為替相場では、エリオット波動とマーケットが持つサイクルを見ていくという宮田さんだが、では、2009年の為替相場をどう見ているのか? まずは円の実質実効レートについて解説してもらおう。
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