昨日のアジア時間では日本株が持ち上がった。前日の米国株では調整色が濃くなったので、東京市場もリスク調整が起こるのかと思われていたところだ。衆院選が前倒しで行われるのではないかという観測が出てきたからだ。日本株の一段高とともに、リスクに敏感とされるユーロ円も腰が強くなってきた。とくに朝がたからショート目に振っていた人びとのショートカバーも巻き込んでの強さだった。
ユーロ円は欧州序盤には130円台に乗せてきて、そのまま粘り気の濃い展開となった。ここのところ私の読んだ相場の真逆のほうに進んでいる。トレードに関してはストップロスが付くだけで仕方がないのだが、こうも反対に進むことが度重なると次のポジションを作りにくくなる。雇用統計やFOMCなど、相場の転換点となるかもしれない重要なイベントをひかえているから相場のほうも気迷い気味なのかもしれないが。
昨日も世界景気の減速感を匂わせる経済指標が相次いだ。中国の民間調査での景況指数は予想に達せずで、ドイツの小売りも予想を下回った。景気回復の減速感は最近の傾向で顕著となってきているが、それを確かめるためにもアメリカの経済指標にも注目が集まった。
週末に雇用統計を控えているので、ADPの雇用指数には関心が集まった。しかし就業者数は事前の予想にまったく届かず、新型ウイルスの感染拡大が悪影響を与えているのではないかとの見方が拡がった。
テイパリングは年内に開始するものとされているが、それすらも11月から12月まで延期されるのではないかとの観測がたち、それが米国株を押し上げた。とくにグロース株に買いが集中し、ナスダック指数は史上最高値を記録した。だが相変わらず更新といってもチョビッとだけだし、為替相場も明日の雇用統計待ちでさらに鈍い動きに留まりそうだ。
日本時間 15時30分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)