ECBの金利会合では、事前の想定の範囲内のことであった。PEPP資金による債券買い入れのペースを緩めること。しかし量に付いての言及もないし、資産買い入れは来年まで続けるとも行っている。
でもこれでは明確なタイトニングを意味しないように受け取られる。そして実際にはマーケットの反応もそのようなものであった。ECB会合の後もユーロドルの値動きは緩慢であり、20ポイントほどしか動かなかった。
ラガルド総裁は景気回復は順調としながらも、新種株などによって不安要因もあると行ったので、明確なテイパリングを表明するには消極的な姿勢のように見えた。ユーロは全面安の形にはなったが、どうも見ていて動くに動けなかった。
こうなってくると米国株でも見ようかなという感じにならざるをえない。その米国株も高値警戒感があるのか、上がるにしても下がるにしても、値幅も小さければ動きも鈍い。
今晩はアメリカのPPIが出る。予想では高めの数字が見込まれている。それでも金融当局者は「インフレは一時的」という言葉を繰り返しているので、生活に直結しない限りはマーケットは反応しないのだろう。
ドル金利も上がったりしないのだろう。日本でも小麦の政府売り渡し価格が20%近くも値上げされるというのに、「これはインフレではない」と言い続けているのだから、どうなったらインフレだと言うことになるのだろうか。
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