ドイツの総選挙が終わって、これまでの与党が第1党でなくなった。これは難民問題や原発政策に関するメルケル首相の政策の不信任が影響したものと思われる。それだけドイツ国内にもメルケル政権への反発もあり、意見もかなり二分されているのだろう。政権交代が進んだからと言うわけで、ユーロ売りが進んだわけではない。
昨日はドルの全面高だったのだ。特に先週から続いているドル金利の上昇が、ドル買いに弾みをつけたようだ。ドル円も111円台に乗せてきている。これは今年の最高値ゾーンに到達していることになる。
ドル金利の上昇は米上院での債務上限引き上げの困難さの裏返しでもある。上院では可決が不可能とみられるので、世の中は政府機関のシャットダウンに控えることになる。どうせ何ごともなかったように過ぎ去るのだろうというのが従来までの繰り返しの歴史なのだが、昨日のマーケットはリスクオフに傾いた。米国株は終盤でも売りものを浴びて、ほぼ安値圏でのひけとなった。
FRBの基本スタンスは変わっていないが、10年ものの利回りは1.50%台に乗せてきたりして、久しぶりの金利高水準だ。原油高も目立ってきたが、天然ガスの値上がりもとてもきつい。ここ半年で2倍以上の値上がりとなっている。原油価格で言えば100ドルなんか軽々と超えてきているようなものだ。
インフレは一時的という見方に疑問符がついてきている。ここからのさらなる金利上昇には要注意となる。FEDのタイトニングのペースは予定されてているものよりも早まることもありそうだ。テイパリング終了が来年の中旬で利上げは2024年からだとされているが、利上げ時期も半年ほど前倒しになる可能性もある。そうした見通しが強まると、ドルの上昇も本格的になるかもしれない。
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