(「陳 満咲杜さんに聞く(3) ~ドル/円は2010~11年に72~74円へ!~」からつづく)
今回のシリーズでは、陳 満咲杜さんに今後の為替相場の見通しなどをうかがってきたが、最後に陳さんから個人投資家のみなさんへアドバイスをもらおう。
■相場はファンダメンタルズよりも先に動く
「以前もお話ししたとおり、相場は常にファンダメンタルズより先に動きます。ファンダメンタルズが明らかになってから、相場がどちらへ動くのか考えるのは取引の役に立たないどころか、マイナスだと考えます(→「陳 満咲杜さんに聞く(2) ~相場はファンダメンタルズによって動くのではない!~」参照)。
アナリストやエコノミストや記者になるんだったら、ファンダメンタルズのことを書いて給料がもらえますから、それでもいいでしょう。けれど、取引の参考にしようとファンダメンタルズの勉強をするのであれば、それはやめた方がいい」
■トレンド系では移動平均線、オシレーター系ではRSIがオススメ
「勉強すべきなのはテクニカル分析です。テクニカル分析で将来の予測を正確にできるわけではありませんが、テクニカル分析は現在の状況を説明してくれます。そして、そこからある程度、将来を推測できます。私は決してテクニカル万能主義者ではないのですが、テクニカル分析は大事にしてほしいと思っています。
また、テクニカル分析といっても、複雑に考えて、いろいろな指標を見てもダメ。トレンド系とオシレーター系、それぞれ一つずつ把握すれば十分でしょう。トレンド系では移動平均線、オシレーター系ではRSIが一番役に立つと私は思っています」
米ドル/円 日足
(出所:株マップ.com)
移動平均線は過去一定期間の終値の平均を結んだもの。上下に揺れ動く相場をならし、大きなトレンドを示してくれるラインだ。5日移動平均線、25日移動平均線、13週移動平均線、26週移動平均線などがよく使われている。
また、RSIとは過去一定期間の値動きの幅の中で、値上がり幅の合計がどれだけの割合を占めているかを示したテクニカル指標。買われすぎ、売られすぎを示すとされている。
「為替相場は株式相場など他の相場に比べて、トレンドが強く出ます。だから、逆バリのテクニカル指標は通用しません。逆バリの指標を信じると火傷します。順バリのテクニカル指標を重視して、相場の流れについていくことです。相場の天井はここ、相場の底はここなどと自分で想定してはいけません。自分のエゴはまったく捨てることです」
移動平均線は過去一定期間の終値の平均を結んだもの。上下に揺れ動く相場をならし、大きなトレンドを示してくれるラインだ。5日移動平均線、25日移動平均線、13週移動平均線、26週移動平均線などがよく使われている。
また、RSIとは過去一定期間の値動きの幅の中で、値上がり幅の合計がどれだけの割合を占めているかを示したテクニカル指標。買われすぎ、売られすぎを示すとされている。
「為替相場は株式相場など他の相場に比べて、トレンドが強く出ます。だから、逆バリのテクニカル指標は通用しません。逆バリの指標を信じると火傷します。順バリのテクニカル指標を重視して、相場の流れについていくことです。相場の天井はここ、相場の底はここなどと自分で想定してはいけません。自分のエゴはまったく捨てることです」
また、個人投資家がミスを犯しがちな点として、資金管理の問題を陳さんは指摘する。
■損切りの「5%ルール」を徹底せよ!
「新たにポジションを建てるにはテクニカル分析を根拠にするのがいいでしょう。ですが、損切りは資金管理の視点からやった方がいいと私は思っています」
ストップロス注文を入れるポイントは直近安値を割れたところなど、テクニカル的な観点に基づいた方がいいという人もいるが、陳さんはそうではないという。
「1回の損失は自分の元本の5%以内に止めるべき。損切りの際はテクニカル分析は二の次です。元本の5%以上を失わないようにストップロス注文は入れるべきでしょう。
結局、投資家は損切りのルール、資金管理のルールを守らないから、大きな損をするのです。勉強が足りない、頭が良くないわけではないのです。リスク管理をしていないのが問題なのです。これは言うのは簡単ですが、実行するのは難しい。
これは私も含めて……ですが、きちんと損切りを実行できる人は少ないと思います」
どうも陳さん自身もかつて大きな損失を招いた経験があることから、このような戒めの「5%ルール」を奨めているようだ。
「みんな自分の幻想を持っていますからね。実際、ちょっと待てば相場が回復したというケースも多いのです。それで助かった経験があると、その次の機会には油断してしまう。そして、往々にしてそういう時こそ暴落とか暴騰になったりするわけですね。神様は意地が悪いですから(笑)」
損切りはキッチリ。このことを改めて胸に刻み込んで、取引には臨みたいものだ。
■多数派の意見に耳を傾けないこと!
そして、一番最後に陳さんはこう話してくれた。
「相場では、多数派の意見に耳を傾けるべきではありません。テクニカル的な流れではどうも上昇しているのに、みんなが落ちる、落ちると言っている…こんな時こそ上昇する確率が非常に高い。こういう時が利益を上げる一番のチャンスなのです」
(ザイFX!編集部・井口稔)
■損切りの「5%ルール」を徹底せよ!
「新たにポジションを建てるにはテクニカル分析を根拠にするのがいいでしょう。ですが、損切りは資金管理の視点からやった方がいいと私は思っています」
ストップロス注文を入れるポイントは直近安値を割れたところなど、テクニカル的な観点に基づいた方がいいという人もいるが、陳さんはそうではないという。
「1回の損失は自分の元本の5%以内に止めるべき。損切りの際はテクニカル分析は二の次です。元本の5%以上を失わないようにストップロス注文は入れるべきでしょう。
結局、投資家は損切りのルール、資金管理のルールを守らないから、大きな損をするのです。勉強が足りない、頭が良くないわけではないのです。リスク管理をしていないのが問題なのです。これは言うのは簡単ですが、実行するのは難しい。
これは私も含めて……ですが、きちんと損切りを実行できる人は少ないと思います」
どうも陳さん自身もかつて大きな損失を招いた経験があることから、このような戒めの「5%ルール」を奨めているようだ。
「みんな自分の幻想を持っていますからね。実際、ちょっと待てば相場が回復したというケースも多いのです。それで助かった経験があると、その次の機会には油断してしまう。そして、往々にしてそういう時こそ暴落とか暴騰になったりするわけですね。神様は意地が悪いですから(笑)」
損切りはキッチリ。このことを改めて胸に刻み込んで、取引には臨みたいものだ。
■多数派の意見に耳を傾けないこと!
そして、一番最後に陳さんはこう話してくれた。
「相場では、多数派の意見に耳を傾けるべきではありません。テクニカル的な流れではどうも上昇しているのに、みんなが落ちる、落ちると言っている…こんな時こそ上昇する確率が非常に高い。こういう時が利益を上げる一番のチャンスなのです」
(ザイFX!編集部・井口稔)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)