ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

西原宏一_メルマガ取材記事
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
FXトレーダー(FX投資家)の取引手法を公開!

YEN蔵さんに聞く為替ディーラーの世界(4)
なぜ、豪ドルが一番おすすめなのか?

2009年09月01日(火)12:27公開 (2009年09月01日(火)12:27更新)
ザイFX!編集部

投資情報充実の外為どっとコム!当サイト口座開設者限定キャンペーン実施中!

「YEN蔵さんに聞く為替ディーラーの世界(3) ドル/円が3時間で10円下がった暴落相場」からつづく)

 さて、前回まではYEN蔵さんこと田代岳さんに為替ディーラーの世界について聞いてきたが、今回はこれから3カ月、2009年11月ぐらいまでのYEN蔵さんの相場見通しをお伝えしよう。

■米ドル/円が85円になるようなことはない

 「今、米ドルはLIBORが結構落ちてきています。長期金利も下がる方向だと思います。そうすると、今までのような米ドル買い需要はなくなると思うんです」

 LIBORとは、ロンドン銀行間取引金利のことで、短期金利の一つの指標となるものだ。米ドルは短期金利も長期金利も下がる方向とYEN蔵さんは見ており、その結果、ドル安方向に動くという見通しだ。

 「米ドル/円は基本はレンジ相場と見ていますが、ややドル安方向に動くかなというところ。レンジの下限は91~92円、上限は98~99円というところではないでしょうか。米ドル買い需要がなくなるといっても、米ドル安が極端に進んで、米ドル/円が85円になるようなことはないと思っています」
米ドル/円 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

■これからは各国中央銀行のスタンスに注目!

 YEN蔵さんはこれからは各国中央銀行のスタンスに注目すべきと説く。そこから浮かび上がる一番のおすすめ通貨は豪ドルだ。

 「今までは世界中が一斉に金融・経済危機に陥っていたわけですが、これからは各国の経済状況にばらつきが出てくると思います。そして、それを反映した各国中央銀行のスタンスにもばらつきが出てくるでしょう。そこが注目ポイントです。

 このところ鮮明になってきたのはRBA(豪州準備銀行=豪州の中央銀行)が今後金利を上げていきそうという話ですね。

 また、BOE(イングランド銀行=英国の中央銀行)は政策金利は据え置きましたが、量的緩和の拡大を発表しました。金融機関などからの国債買い取り枠を従来より500億ポンド増やして、1750億ポンド(約27兆円)にするというのです。

FRB(連邦準備制度理事会=米国の中央銀行)は3000億ドル(約28兆円)の国債買い取り策を10月末で完了させることを発表。その一方、超低金利はしばらく継続しますというスタンスですね。

ECB(欧州中央銀行)はまだ何も言っていませんが、中央銀行のスタンスという意味では中立かと思います。

 そして、BOJ(日本銀行=日本の中央銀行)のスタンスは前とあまり変わっていませんね。

 結局、中央銀行のスタンスという観点から考えると、一番買えるのは豪ドル。中立的なのは米ドル、ユーロ、円。英ポンドが一番買えない、ということになると思います」

■一番買えるのは今後利上げしそうな豪ドル

 9月1日現在、各国の政策金利は米国が0.0~0.25%、欧州が1.0%、英国が0.5%、日本が0.1%、豪州が3.0%となっている「経済指標/金利:各国政策金利の推移」参照)

 その国の景気が悪ければ、中央銀行は金融緩和、つまり、金利を下げる方向へ動いて、さらに景気が悪くならないようにする。

 といっても、前述のとおり、政策金利はもうこれ以上、あまり下げられないところまで下がってしまっている国もあるため、そういう場合は金利を下げることではなく、量的緩和のような別の手段によって、金融緩和政策を行っていく。

 逆に景気が良くなってくれば、金融引き締め、つまり金利を上げる方向へ中央銀行は動く。

 結局、YEN蔵さんは金融引き締め方向へ動く国の通貨は強くなり、金融緩和方向へ動く国の通貨は弱くなるという見立てなのだ。

 そして、一番買えるのが今後利上げしそうな豪ドル、一番買えないのがまだ量的緩和を拡大させている英ポンドということになる。そうなると、あまり聞かない通貨ペアだが、英ポンド/豪ドルの売りがいいという話になりそうだ。
英ポンド/豪ドル 日足
(出所:米国FXCM

 「英ポンド/豪ドルはあまりなじみのない通貨ペアなので、豪ドル/円でお話すると、もう結構上がってしまっているんですよね。今すぐ買っていいかどうかは微妙。いったん調整があるかもしれません。中期的には前回の安値に近い70円ちょうど付近まで落ちてくることがあれば、いい買い場だと思います。

 豪ドル/円の60円台はあったとしても69円程度までじゃないでしょうか。60円台前半まで下がることはもうないと思いますよ」
豪ドル/円 日足
(出所:米国FXCM

■合成ポジションを作った方がなぜ良いのか?

 現在、YEN蔵さんは銀行の為替ディーラーではなく、個人トレーダーとして、為替の取引を行っている。取引は普通のFX会社を使って行っており、これは一般のトレーダーと変わらない。

 そして、チャートを見ながら自分の相場観を構築し、そこに情報を加味して取引しているとのこと。情報収集に少し苦労する部分はあっても、相場に対する基本的なスタンスは為替ディーラー時代と変わらないという。

 取引しているのは対ドルの通貨ペアが中心。米ドル/円、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルなどということだ。クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を取引することもあるが、素直に(?)クロス円をそのまま取引するとは限らないようだ。

 「インターバンク市場ではユーロ/円以外のクロス円は直接取引されていないんです。

 たとえば、英ポンド/円を買いたいなら、それ自体は取引されていないので、英ポンド/米ドルの買いと、米ドル/円の買いを量を調整しながら同時にやって、合成ポジションを作ります。

 この時、英ポンド/円が首尾良く上がっていったとしましょう。でも、米ドル/円は上がっておらず、下がるリスクもあると感じたとします。すると、合成ポジションのうち、米ドル/円の方は売ってしまって、英ポンド/米ドルの方だけ残すんです。

 このように合成ポジションにしておくと、利食うにしても、損切るにしても、ポジションの“はずし方”にバリエーションがつけられるんですよ。

 インターバンク市場と違って、FX会社ではクロス円が普通に取引できますが、取引方法の選択肢が多くなるという意味で、今でも合成ポジションを作ることは結構あります」

 単純に考えると、クロス円がそのまま取引できるなら、そのままそれを取引すれば簡単でいいと思ってしまうのだが、合成ポジションを作った方がより多彩な戦略がとり得るというYEN蔵さんの話、参考になっただろうか?

■「指標発表を忘れていた」なんてもってのほか!

 では、最後にザイFX!読者のみなさんへ、YEN蔵さんのトレード・アドバイスをお届けしよう。

 「とにかく、自分なりのやり方を早く見つけることだと思います。

 為替はゼロサムゲームなので、株みたいに右肩上がりの時に全員が儲かるといったことがありません。絶対プラスにできる簡単な方法はないんです。

 でも、大きなマイナスを避けることはできます。大切なのは“取りこぼし”をしないことです。

 その場で見ていて、自分でキチンと損切りできるのであれば、ストップロス注文は入れなくてもいいでしょう。でも、見ていないのならば、入れておいた方がいいと思います。特に経済指標発表時など、相場が大きく動く可能性のある時はね。

 『指標発表を忘れていた』なんていうのは、もってのほか。それが“取りこぼし”ということなんですよ」

(取材・文/ザイFX!編集部・井口稔  撮影/和田佳久)

8つの項目で「おすすめのFX会社」を比較!
キャンペーン比較
スプレッド比較
スワップ比較
自動売買比較
MT4
TradingView
CFD
バイナリーOP
【2024年12月】ザイFX!読者がおすすめするFX会社トップ3を公開!
【総合1位】 GMOクリック証券「FXネオ」
GMOクリック証券「FXネオ」の主なスペック
米ドル/円 スプレッド ユーロ/米ドル スプレッド 最低取引単位 通貨ペア数
0.2銭原則固定
(9-27時)
0.3pips原則固定
(9-27時)
1000通貨 20ペア
【GMOクリック証券「FXネオ」のおすすめポイント】
機能性の高い取引ツールが、多くのトレーダーから支持されています。特に、スマホアプリの操作性が非常に優れており、スプレッドやスワップポイントなどのスペック面も申し分ないため、あらゆるスタイルのトレーダーにおすすめの口座です。取引環境の良さをFX口座選びで優先するなら、選択肢から外せないFX口座と言えます。
【GMOクリック証券「FXネオ」の関連記事】
■GMOクリック証券「FXネオ」のメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介!
▼GMOクリック証券「FXネオ」▼
GMOクリック証券「FXネオ」の公式サイトはこちら
【総合2位】 SBI FXトレード
SBI FXトレードの主なスペック
米ドル/円 スプレッド ユーロ/米ドル スプレッド 最低取引単位 通貨ペア数
0.18銭 0.3pips 1通貨 34ペア
【SBI FXトレードのおすすめポイント】
すべての通貨ペアを「1通貨」単位、一般的なFX口座の1/1000の規模から取引できるのが最大の特徴! これからFXを始める人、少額取引ができるFX口座を探している方は、絶対にチェックしておきたいFX会社です。スプレッドの狭さにも定評があり、1回の取引で1000万通貨まで注文が出せるので、取引量が増えて稼げるようになってからも長く使い続けられます。
【SBI FXトレードの関連記事】
■SBI FXトレードのメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介!
▼SBI FXトレード▼
SBI FXトレードの詳細はこちら
【総合3位】 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の主なスペック
米ドル/円 スプレッド ユーロ/米ドル スプレッド 最低取引単位 通貨ペア数
0.2銭原則固定
(9-27時・例外あり)
0.3pips原則固定
(9-27時・例外あり)
1000通貨 30ペア
【外為どっとコム「外貨ネクストネオ」のおすすめポイント】
業界最狭水準のスプレッドと豊富な情報で、多くのトレーダーに人気のFX口座です。FX取引が初めての初心者から、スキル向上を目指す中・上級者向けまで、各自のレベルにあわせて受講できる学習コンテンツも魅力です。比較チャートや相場の先行きを予測してくれる機能など、取引をサポートしてくれるツールも充実しています。
【外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の関連記事】
■外為どっとコム「外貨ネクストネオ」のメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介!
▼外為どっとコム「外貨ネクストネオ」▼
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の公式サイトはこちら
※スプレッドはすべて例外あり。この表は2024年12月2日時点のデータをもとに作成しているため、最新の情報とは異なっている場合があります。最新の情報はザイFX!の「FX会社おすすめ比較」や、各FX会社の公式サイトなどで確認してください

総合ランキング4位~10位、「取引コスト(スプレッド)」「スワップポイント」「初心者におすすめ」などの主要な項目ごとのランキングは、以下の記事をご覧ください。
【※関連記事はこちら!】
FXトレーダーのリアルな声を反映! ザイFX!読者が選んだ「おすすめFX会社」人気ランキング!

おすすめFX会社
link

ザイFX!限定で最大10000円!

トレイダーズ証券[みんなのFX]

最短当日取引可能!ザイFX!限定キャンペーン実施中のみんなのFX!

link

人気の1000通貨自動売買『iサイクル注文』

外為オンライン

当サイトからの口座申込者限定!条件達成で特別に3000円プレゼント!

人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
トルコリラスワップポイントランキング メキシコペソ比較 人気FX会社ランキング
トルコリラスワップポイントランキング メキシコペソ比較 人気FX会社ランキング
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る