前回は、ドル安トレンドの継続と目先のポジション整理の可能性を予測したが、結果は正誤半々となった(「米ドルのベア・トレンドはなお継続だが売りポジション整理のリバウンドはある」参照)。
■予想を上回って、ドル安がグングンと拡大
ドル安トレンドはほぼ調整なしで進み、特に、対英ポンド、対豪ドル、対ユーロなどのメジャー通貨に対してドルの下落幅は拡大した。ようやくポジション整理と見られる調整が起こったのは、一昨日、6月3日のことである。
ただ、ドルは円に対してだけは堅調な地合いを保っていたため、英ポンド/円、豪ドル/円をはじめとして、クロス円(ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場は揃って高値更新となった。
米ドル vs 主要通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル vs 世界の通貨 日足)
私は2月下旬からドル安を予測し、その時点で想定していたターゲットはすべて達成されている。新たに設定した目標でさえも達成されようとしているが、自分の取引では、必ずしも設定した目標に対する値幅を取れていないのだ。
自分が設定したにもかかわらず、ターゲットについていけないのは、何かしらの「邪魔」が入ったに違いない。それは他ならぬ、「お勉強」した「知識」である。
前回の記述に合わせるように、自分ではいったんドルのショートポジションを閉じていた。逃がした魚は大きかった(「米ドルのベア・トレンドはなお継続だが売りポジション整理のリバウンドはある参照)。
仮に、自分が「COT(※)レポート」のデータやセンチメント指数の存在を知らず、オプション・マーケットの動向を読むことなく、単にトレンドフォローのみで取引をしていたならば、先週末からのドル暴落に便乗して、ひと儲けできたはずだ。
※編集部注:「COT(コミットメント・オブ・トレーダーズ)レポート」は、CFTC(全米先物取引委員会)が毎週金曜日15時30分(米国東部時間)に公表しているもの。CFTCは各先物市場の上場商品について建玉を公表するように義務づけており、各取引所が毎週火曜日の取引終了後の建玉枚数を報告し、CFTCがそれらを集計している。
■相場についていくには「反射神経」が重要か
このケースから、少なくとも2つのことについて、改めて勉強をさせていただいた。
まず、相場は行き過ぎの習性があるため、統計データをトレーディングの根拠として取引するのはリスクを伴うということ。
次に、たびたび指摘しているように、トレーダーにとって「お勉強」した「知識」が逆に邪魔になる場合もあって、頭でっかちになると相場についていく「反射神経」が鈍くなる恐れがあるということ。
だから、今でもロンドンやスイスの銀行では、ディーラーを募集する際に大学生、大学院生ではなく、高校卒に限定するところもあるそうだ。一昔前では、日本の銀行ももっぱら体育会系の学生を募集していたそうで、ある意味では納得できることだ。
それでは、先週末からの相場をトレンドフォローのみで追随できただろうか? ユーロ/ドルと英ポンド/ドルの相場を例に挙げて見てみよう。
私は2月下旬からドル安を予測し、その時点で想定していたターゲットはすべて達成されている。新たに設定した目標でさえも達成されようとしているが、自分の取引では、必ずしも設定した目標に対する値幅を取れていないのだ。
自分が設定したにもかかわらず、ターゲットについていけないのは、何かしらの「邪魔」が入ったに違いない。それは他ならぬ、「お勉強」した「知識」である。
前回の記述に合わせるように、自分ではいったんドルのショートポジションを閉じていた。逃がした魚は大きかった(「米ドルのベア・トレンドはなお継続だが売りポジション整理のリバウンドはある参照)。
仮に、自分が「COT(※)レポート」のデータやセンチメント指数の存在を知らず、オプション・マーケットの動向を読むことなく、単にトレンドフォローのみで取引をしていたならば、先週末からのドル暴落に便乗して、ひと儲けできたはずだ。
※編集部注:「COT(コミットメント・オブ・トレーダーズ)レポート」は、CFTC(全米先物取引委員会)が毎週金曜日15時30分(米国東部時間)に公表しているもの。CFTCは各先物市場の上場商品について建玉を公表するように義務づけており、各取引所が毎週火曜日の取引終了後の建玉枚数を報告し、CFTCがそれらを集計している。
■相場についていくには「反射神経」が重要か
このケースから、少なくとも2つのことについて、改めて勉強をさせていただいた。
まず、相場は行き過ぎの習性があるため、統計データをトレーディングの根拠として取引するのはリスクを伴うということ。
次に、たびたび指摘しているように、トレーダーにとって「お勉強」した「知識」が逆に邪魔になる場合もあって、頭でっかちになると相場についていく「反射神経」が鈍くなる恐れがあるということ。
だから、今でもロンドンやスイスの銀行では、ディーラーを募集する際に大学生、大学院生ではなく、高校卒に限定するところもあるそうだ。一昔前では、日本の銀行ももっぱら体育会系の学生を募集していたそうで、ある意味では納得できることだ。
それでは、先週末からの相場をトレンドフォローのみで追随できただろうか? ユーロ/ドルと英ポンド/ドルの相場を例に挙げて見てみよう。
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