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FXブロガー・EURO SELLERさんに聞く(5)
~原油が上がれば、ドルは下がり、ユーロは上がる~

2008年06月24日(火)12:12公開 (2008年06月24日(火)12:12更新)
ザイFX!編集部

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「FXブロガー・EURO SELLERさんに聞く(4) ~ユーロ/ドルはこれからどうなる?~」からつづく)

 最後にEURO SELLERさんは、為替に取り組むにあたって、これから注目すべき指数、商品価格を教えてくれた。それはVIX指数(恐怖心理指数)、原油価格、金価格の3つだ。

 まず、VIX指数というのは何だろうか?

 これは米国の代表的な株価指数・S&P500を対象としたオプションの価格から算出されるボラティリティの指数だ。投資家の心理状態を表すとされ、「恐怖心理指数」などと呼ばれている。この指数が高まるということは、投資家の恐怖が高まっていることを意味する。

■VIX指数が30を超えたら逆バリの絶好機!

 「VIX指数は株をやってる人にもFXをやってる人にも役立つと思いますよ。この指数は今年の1月と3月にすごく高くなりました(下図参照)。投資家の恐怖が最大限に高まったこの時に株はいったん底打ちしました」
今年年初からのVIX指数の推移

 「VIX指数はボラティリティの指数なので、無制限に高くはなりません。右肩上がりのチャートにはならないわけです。具体的な使い方としては、だいたいこれが30を超えてきたら、逆バリするのがいいでしょう。

 たとえば、それまでにドル/円が大きく下落していたら、そこで買う。株が大きく下がってきていたら、そこで買うといった具合です。

 まあ、30を超える時は滅多にありませんので、25を超えてから山が一服した時に打診的にまず買ってみるのもいいと思います。

 ちなみにVIX指数は低いところは意味がありません。チャートの”谷”に意味はないんですね。チャートの”山”でしか使えないんです」

■原油が上がれば、ドルは下がり、ユーロは上がる

 次にEURO SELLERさんは原油などの商品価格と為替相場の関係について、次のように説明してくれた。

 「原油などの商品はすべてドル建てですよね。だから、それらの商品が上がるということは、ドルの価値が下がるということです。一方、為替市場ではユーロ/ドルの取引が一番多いですから、ドルが下がるということは、ユーロが上がることになります。結局、原油が上がれば、ドルは下がり、ユーロは上がるという動きになるわけですね。

 今の原油価格は投機的な買いによって、ずいぶん高くなりすぎていると思います。原油価格を見ておいて、『原油が下がったら、ドルが上がるぞ』と思っておけばいいでしょう」

■金が原油のように暴騰しなければドルはソコソコ強い

 では、金はどうだろう? 一時期、金は原油と歩調を合わせてグングン上がっていたが、最近は原油と違って、結構下がっている。

 「金にはそれほど投機的要素はないと思っています。昔、金本位制の時代があったくらいですから、金は貨幣的な価値を持っています。だから、金は買ったらそのまま持っている人が結構いる気がするんです」

 「一方、原油は純粋に”モノ”ですよね。劣化するかもしれないし、代替燃料が出てきたら、いらなくなるかもしれない。だから、投機性が強いと思います。

金が買われるのは”逃避”です。ドル資産が目減りしないように金を買っている感じですね。有事にスイスフランが買われるのと同じです。金が上がると、スイスフランが上がる傾向もありますね。

 結局、原油も金も同じように商品としての性格を持ちつつ、金の方が永続的な価値が高いということになります。ですから、金が原油のように暴騰しなければ、長期的にドルはソコソコの強さに戻るだろうと思っています」

 原油、金の特徴、そして、それらと為替相場の関係に関するEURO SELLERさんの説明は以上のとおりだ。

 最近の実際の商品相場、為替相場を見てみると、今年3月なかばまで原油と金は歩調を合わせて上がり続けていた。その後、原油はさらに上昇しているが、金は下落している。

 3月なかばに金が天井を打ったのと、ドル/円が95円台まで下がったのはほぼ同時。そして、その後、金が下落している時に、ドル/円は反発し、今のところ底堅く推移している。
今年年初からの金と原油価格の推移
 
今年年初からの米ドル/円の推移

 原油価格がやたらと注目を浴びている昨今だが、これに金価格も加えて、相場をウォッチしておくのが良いのではないだろうか。

(ザイFX!編集部・井口稔)

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