昨日はFOMCであった。政策金利を変更するはずもないのだが、過去3年くらいの中でもっとも注目を集める会合となった、それはパウエル議長の態度がハト派から転換したからである。心の底からタカ派に転校したとは思われないが、テイパリングの加速や利上げ時期の前倒しなど、どのように説明をつけるのかが見たいのであった。
FEDの金融政策は想定内の変化でおさまった。テイパリングを加速させて、3月末までに終了させること。約束ではないが、FEDメンバーのコンセンサスでは来年に3回の利上げを行うことになっていること、そして「インフレは一時的」という文言の削除であった。
これに対してパウエル議長は、賃金がインフレの要因ではないとか、テイパリングが終わるまで利上げは行わないなどと、当たり障りのないことでFRBの姿勢とした。予想以上にタカ派に振れることもなかったので、マーケットはそれを歓迎。米国株は大きく上昇し、ドル金利の上昇は少しだけに踏みとどまった。
私も早朝に起き出してドル円でロング参戦したが、10ポイントほどしか取れなかった。すでに113円台の後半まで上がりきっていたところでもあり、どちらかというとFOMC後は利食い売りの場を提供してしまったという感じがする。しかしドルの利上げは追認されたわけだし、インフレ度合いの進行具合によっては利上げペースも上がるかもしれない。しばらくはドルブルに構えておくべき相場展開が続くことになりそうだ。
今回のFOMCでの態度変更に関しては、パウエル議長が市場のとの対話を重視したからだという見解が強くなっている。、果たしてそうなのか。そもそもタイトニングの姿勢を示すのに、さんざん出遅れていたのではないだろうか。8月下旬のジャクソンホールまでは「テイパリングの議論もしない」といっていたのだ。
それがテイパリングの議論に始まり、テイパリングは11月開始になり、そしてさらに加速となった、利上げは考えていないといいながら、金融市場では来年には3回の利上げ分が織り込まれていた。これはひとえに「インフレは一時的」に拘ったためであろう。だとしたら従来の間違っていた見通しの弁明もなくてはならないところだ。これでは市場との沸いたというよりも、市場に催促されてといった方が適切だろう。
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