■通常時スプレッド0.8銭固定のFX会社が登場!
フォレックス・トレードといってもまだご存じない方も多いだろう。同社のルーツは旧エキサイトFXだ。
ポータルサイト「エキサイト」の子会社として営業していたエキサイトFXは昨年12月に営業を終了し、クリック証券に譲渡されていたが、それがこのたび、フォレックス・トレードとして生まれ変わったというわけなのだ。同社の営業開始は5月11日だが、すでに口座開設の申込みを受け付けている。
さて、冒頭で紹介した「ドル/円のスプレッド0.6銭固定」というスペック。これは実を言うと、7月3日までの期間限定キャンペーンの数字だ。ただ、キャンペーンが過ぎた通常時でもスプレッドは0.8銭固定。驚異的に狭いスプレッドであることに変わりはない。
また、ドル/円だけでなく、ユーロ/円が通常時1.8銭固定(キャンペーン時1.2銭固定)、ポンド/円が通常時3.0銭固定(キャンペーン時1.8銭固定)と、その他の通貨ペアのスプレッドも大変狭いものになっている。そして、顧客資産を全額信託保全している点も注目できるポイントだ。
「ザイFX!」の「FX会社徹底比較!」にも詳しいスペックを掲載しているのでそちらもご覧あれ(→FX会社詳細情報「フォレックス・トレード」)。
■そもそもスプレッドってナニ?
さて、ここで「スプレッド0.6銭固定」ってナニがスゴイの? という読者のために、スプレッドの意味とスプレッド競争の歴史を絡めてご説明しよう(「歴史」といっても昨年以降の話だが…)。
FXの取引コストには、大まかに言って、売買手数料とスプレッドの2つがある。しかし、売買手数料はいまや無料が主流(取引所取引である「くりっく365」は除く)。では、FX会社がおもにどこで収益を上げているかというと、それが売値と買値の差である「スプレッド」なのである。
よくテレビのニュースなどで「為替は1ドル=99.15円~99.17円で取引されています」などと言っているが、この99.15円と99.17円の差=2銭がスプレッド。
もしもこのようなレートの時、投資家がドルを買おうとしたら、99.17円で買えることになる。そして、もしも即座に売れば、99.15円で売れる。1ドルにつき2銭のマイナスになる計算だ。1万ドルを取引すれば、200円のマイナスである。これが投資家にとっては売買コストとなり、FX会社にとっては収益源となるわけだ。
だから、投資家にとってのコストという観点からはスプレッドは狭ければ狭い方がいい。
そこで、FX会社は顧客獲得のために、スプレッドを狭めていったのだが、それが、ある種究極のところまで行き着いたと思われたのが昨年夏頃の話だった。
■2008年夏に勃発した激しいスプレッド競争!
2008年5月。この時点でドル/円のスプレッドが狭い会社というと、「1銭~」や「1~3銭」というのが主流だった。
そんな中で1銭の壁を破り、「0.9銭~」というスプレッドを提示していたのがFXトレーディングシステムズというFX会社だったが、「0.9銭~」でも十分狭いスプレッドを「0.5銭~」とさらに狭めたのが2008年5月だったのである。
次に動いたのは外為オンラインだった。6月にドル/円のスプレッドを「1銭~」から「1銭固定」に移行したのである。
そして7月頃にはクリック証券、トレイダーズFXなどがついにスプレッド「0銭~」を打ち出したのだった(トレイダーズFXはその後、事業休止)。
ちなみにここまで紹介したFX会社はすべて売買手数料無料。だから、スプレッドがおもな収益源となっているはずだ。それさえもゼロにしてしまったのだから、いったいどうやって商売しているのだろうか? と疑問がわいてしまうほどの激しいスプレッド競争が起こったのが昨年夏だったのである。
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