昨日のFOMC議事録では、内容がよりタカ派であることがわかった。そもそも3月までにテイパリングを終了させることや、6月からの利上げはすでに織り込んでしまっている。だからこれ以上のホーキッシュな意見は出てこないものと思われていた。そこへ出てきたのが資産圧縮である。
すでにFEDは債券購入などで、大きな金融資産を保有している。買い増しを止めようというのがテイパリングだが、既存の資産も売却してバランスシートを縮小させようというのだ。いずれはそういう時期も来るとは考えられていたが、それは短期金利も2.5%を越えてきて正常化が図られて以降のことだと思われていた。つまり資産縮小はあっても2024年内でも間に合うかどうかということだったのだ。
それが前回のFOMCでは幾人かのメンバーによって提言されたというのだ。確かに前回のテイパリングのときと違って、今回は足下の物価高がインフレ懸念を喚起している。資源国であるはずのカザフスタンでは物価高によって暴動まで起こっている。消費国での物価高による打撃は未然に防がねばならないと見る専門家も出てきそうな環境だ。
それを受けてマーケットは素直に反応した。ドル金利は上昇し、短期金利は3月利上げまでをも織り込み始めた。10年ものの利回りも1.70%台まで上昇してきて、昨年来の高水準をうかがっている。米国株は急落を余儀なくされ、大幅下落を強いられている。
ドル円は欧州時間に115円台のミドルまで修正が進んで板のだが、議事録の公開後はドル金利の明確な上昇とともにドル高へシフト。ドル円は再び116円台にしっかりと乗せてきた。これはドルのタイトニングに関する新規の材料でもあったので、ドル買いに拍車がかかるのはやむをえないことでもある。結果的に派意識されていたサポートである115.52が下回れなかったこともあり、去年の高値が今年の安値となってワークするというネックラインの状態になってしまっている。
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