前日に米国株が大幅安したというのに、昨日の東京市場では日本株があまり安くない水準で始まった。日経先物は29000円台で始まったのである。これは米国株の下げなどから見ると、圧倒的に割高な水準であった。米国株と同程度の下げを演じているならば、日経先物は28800円以下でスタートしてもおかしくはない状況だったのにである。
それだけ日本株を押し目介したくて仕方のない人びとが多かったということだろうが、それでは株価のバリューにまったく反することになる。私も朝から日本株に割高感を感じていたし、どうせ下がるならばアジア時間でもリスクかオフの色合いの濃いマーケットになるだろうと考えて、ドル円を売ってみることにした。ちょうど良い具合に116円台だったこともある。
仮に持っていかれたとしても、今年の最高値である116.24を越えたところ、すなわち116.25で買い戻しのストップロスを置いておけば良いだけなので、ダメージは比較的に少なくて済む。まあテクニカル重視のプレーヤーも是非とも売っておきたいところでもあるだろう。
ドル円は東京時間の午前中のウチに115円台に突入し、そのまま116円台にはネバーカムバックとなった。しかしその後のドル円の押しは115.65とか115.70辺りまでが限界だった。私はニューヨーク序盤でしびれを切らして115.76で買い戻してポジションをクローズした。
さて今晩は雇用統計である。雇用状況は変わらないだろう。労働逼迫が続いているのである。これは求職者や離職者のデータから見ても明らか。失業率は大いに改善して、場合によっては4.0%を下回るかもしれない。一方で雇用者数は伸びないだろう。
先日のADPでは80万人くらいの増加が見られたが、50万人を越えてきても驚くには当たらないだろう。労働市場の逼迫感が強まりと労賃の上昇が見込まれ、それは回りまわってインフレを惹起する。長期金利の上昇がリスク回避の流れを強くして、ドル円やユーロ円の頭を押さえつけることになるかもしれない。
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