「僕の作ったFXの自動売買プログラムを身内に配ったんです。みんな合わせても元手は100万円程度。それが1週間も経たず、2億円になりました」
そう話すのは名古屋からやってきた2人組のFXトレーダー、ミスターブレインさんだ。1週間で2億円を稼ぎ出したプログラムにも興味津々だが、2人組のトレーダーというのも珍しい。
「もともとの出会いは少年時代。あとになってわかったんですが、同じ雑誌に載っていました。彼はゲームを自作する人として、僕はゲーム攻略の達人として。もちろん当時は面識がなく、将来こうやって組むことになるなんて予想もしていませんでしたけど(笑)」
ゲームを作る人/ゲームで遊ぶ人、この色分けは今にも通じるのか、ミスターさんが自動売買のもととなるアイデア、ロジックを考えて、ブレインさんがそれを自動売買のプログラムに仕立て上げる——そんな役割分担になっているようだ。

でも、やっぱり気になるのは彼らの稼ぎ方。1週間で資金を200倍にする自動売買って、そんなものが実在するのか?
■FX会社によって為替レートは微妙に違う
「僕らが注目したのは、FX会社2社の為替レートの開き。同じ時間で比べたら、2社の為替レートは同じだと思われがちですが、異なることがよくあります」
ひとつの市場で売買されて価格がひとつに決まる株と違って、為替は「参加者がいれば、そこが市場」。A氏とB氏が「じゃあ100円で1万ドル取引しようか」と合意すれば、それが為替レートとなる。
なかには「くりっく365」や「大証FX」のように取引所で取引される為替もあるが世界的には希有な例。基本的にA氏とB氏が「じゃあ、その値段で」と意見の一致を見たら、それで価格が決まるのが為替取引だ。まったく同じ時間に甲氏と乙氏が「じゃあ99円で」と違うレートで取引を成立させたって不思議はない。
ただ、それでも為替市場は世界的にひとつのレートで動いているように見える。それは取引参加者が「隣はいくらで取引してるかな」とチラ見しながら取引しているから、何となく同じような価格に落ち着いているだけなのだ。だから、市場の実勢レートはどこで見ても大差ないというのが通常。
「ただ、週明け最初のレートや大きな経済指標の発表直後など、相場が動きやすいときには、FX会社によってかなり差が開くことがありますよね」
2社のレートを横に並べてずっと見ていると、意外に動き方が違うことに気がつくだろう。ただ、差が開くといっても20銭も30銭も開くことはほとんどない。開いても通常ならせいぜい2銭、3銭程度だ。
「ただ、2社間のレートが大きく開くことがあります。ごく一部なんでしょうが、レートを操作するFX会社があるからです。いわゆる“ストップ狩り”がその典型ですね」
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