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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル全面安の嵐が吹き荒れているが、
米ドル/円の下値余地は限定的とみる!

2009年09月11日(金)18:44公開 (2009年09月11日(金)18:44更新)
陳満咲杜

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■9月に入って、米ドル全面安が加速した!

米ドル全面安の嵐が吹き荒れている

7月24日のコラムでは、ユーロ/米ドルは1.4700ドル、英ポンド/米ドルは1.7150ドル(場合によっては1.7500ドル)、豪ドル/米ドルは0.8500ドルというターゲットが射程圏に入ってくるという見通しを示し、それらは実現されるだろうと述べた「米ドル安トレンドが再開したかどうか米ドル/スイスフランを見ればわかる!」参照)

 ユーロ/米ドルをはじめとして、上記のターゲットに一段と近づいている。

 また、8月28日のコラムでは、「豪ドル/米ドルは0.8500ドル手前まですでに迫っており、ターゲットを0.8600~0.8800ドルに引き上げる余地もある」と指摘していたが、こちらは、早くも0.8600ドルの大台を突破した「『コップの中の嵐』と米ドル全面安の傾向はまだ続くのか?」参照)

米ドル安の傾向ははっきり見えていたが、そのモメンタムは9月に入ってから加速した

 それは、主力筋が夏のバカンスから戻ってきたためという解釈もあるだろうが、テクニカル的な視点から見ると、チャートの節目のブレイクが確認されたためであろう。

■ファンダメンタルズだけ見て取引をしたら混乱していた!?

 この点については、8月28日のコラム9月4日のコラムと2回にわたって、チャートを羅列して、レジスタンスラインとサポートラインのブレイクおよびRSIのシグナルの重要性を提起していた「『コップの中の嵐』と米ドル全面安の傾向はまだ続くのか?」「今の相場は嵐の前の静けさ。米国雇用統計をきっかけに嵐が来る!」参照)

 ここで、その続きを見てみよう。
ユーロ/ドルとポンド/ドル(クリック拡大)
(出所:米国FXCM

 上に示したユーロ/米ドルと英ポンド/米ドルの日足チャートを見る限り、おおむね予測どおりの展開となったが、テクニカルの要素よりもファンダメンタルズ的な判断に頼ったら、混乱に陥ったことだろう

■値動きが先で、米雇用統計の良し悪しは関係ない

 たとえば、米ドル全面安は米国の雇用統計が引き金となっていた。

 だが、下記のユーロ/米ドルの15分足チャートが示すように、結果が発表された後は、むしろ米ドル高に反応していた
ユーロ/米ドル 15分足(クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

 ホットラインでは、すぐさま「米国の失業率上昇でリスク選好度が後退し、トレーダーはユーロ、豪ドルなどの高金利通貨や資源国通貨を売りまくり、米ドル買いに走る」といった解説が流れていた。

 しかし、その後は一転して米ドル安の方向に転じ、「多くのトレーダーが冷静にデータを見直し、非農業部門雇用者数の減少幅が予想よりも縮小したことを好感し、総合的に見ると、今回の雇用統計は悪くないと受け止め、再び米ドル売り/外貨買いに戻った」といった解説が流れていた。

 これこそ、まちがいの根源である。真実はまったくの逆であろう。

 つまり、このような解釈は、米ドルが買われたから米ドル買いにつながるような情報を探し、米ドルが売られたから米ドル売りにつながるような要素を探し出すといった「我田引水」になっているにすぎない。

本当のトレーダーには、結果発表後にデータそのものを理論的に分析し、その分析に基づいて売買をしている余裕はない。いろいろ難しいことを考えてから取引しても、もはや激しい値動きをフォローできない。

 言い換えれば、経済指標のデータよりも値動きの方が先なのだ。相場はデータの良し悪しとは関係なく、相場の内部構造に沿って、行くべき方向へ行く。データの結果は、往々にして取引を刺激する一種の起爆剤になっているに過ぎない

 多くのトレーダーは、「データの解釈に関する需要は、ファンダメンタルズ系のエコノミストとアナリストを養うために存在する」と、よく揶揄しているものだ。
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