先週のFOMC以降は連日のようにドルの短期金利が一段高をしていたのに、昨日は一服することとなった。依然としてドル金利は高止まりしてはいるものの、一時的にせよ止まったことはリスク市場に好感をもたらした。
米国株は巻き返しに弾みが付いて、ドル相場は下落した。ミクロ指標では輸送関連、エネルギー関連の決算発表が良かったのに加えて、引け後に出たグーグルの決算もアナリスト予想を上回ってきており、業績相場に立ち戻りつつある。
ドル円はすでにアジア時間で115円台は重くなりつつあったが、ドル金利の上昇に勢いがないと見るとドル売り圧力が強まってきた。ドルが下げても限りがあるだろうとは思いながらも、私もドル円を売ってみることにした。上がらないものは売るしかない。昼間につけていない115.20をストップロスのレベルに設定して、115.02でショートに振ってみた。
欧州時間ではドル円やユーロ円は重たい流れが継続して、ドル円も114.60あたりまで下落。米国株が上がり出すのを嫌気して、ニューヨークオープン前にドル円ショートは買い戻すことにした。しかしその後もドル円は重い展開が続き、115円台に戻すことはなかった。
ただニューヨーク時間の午後に発言したブラード総裁は、3月利上げが50ベーシスだけだと効き目はないだろうとしてタカ派的とも見られる意見を示した。また資産縮小も第2四半期からもっと大規模にやるべきだとしている。しかしこれによる金利相場への影響は限られた。現実を物語っているようでもあるが、まだまだ少数意見だということで反応できていないのだろう。
今晩はADPの雇用指数が出るが、あまり注目を集めていない。すでに3月利上げは避けられないので、雇用データが金融政策を変えさせることは期待できないからだ。今となっては経済の問題は失業などではなく、物流の停滞とインフレ懸念に移ってしまっている。
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