昨日はアジア時間で大いにリスクテークが進んだ。日経先物も2万7千円台を回復するなど、激しい買い戻しが起こった。ドル円も115円台でステーブル。市場の観測では、ウクライナ情勢もこれで最悪期は脱したとの見方が大勢を占めた。
しかし欧州時間にシフトすると、ウクライナのテレビ局が砲撃を受けている様子なども伝わり、停戦までにはほど遠い現実を見せつけられることとなった。欧州株や米国株は反転して下落。原油価格も100ドル台に乗せてきた。完全なリスク回避モードに移行したのである。
ニューヨーク時間では一層のリスク回避が進んで、原油相場が106ドル台まで高騰した。ドル円はそれほども動かなかったがユーロドルの下げ方がきつく、結果としてユーロ円が127.30辺りまで大幅に値を下げた。
日経先物も26325円まで安値を拡げて、米国株も一段安。ドルの短期金利は年内7回まで利上げを織り込んでいたのに、5回分までの利上げまでしか織り込まなくなってしまった。
今日は大統領の一般教書演説があったが、内容は想定の範囲内ということでマーケットでは無反応だった。ロシアに対して激しいこととでも言えばいいのに、それもなかった。このままだと対中国においても舐められことになるかもしれない。
それよりも今晩にあるパウエル議長の議会スピーチのほうが重要である。すでに金利上昇分がかなり下がってきているとは言え、やはり3月FOMCを控えて金融当局としてどのような態度に出るのかが見ものだ。
地政学的リスクは高まっているが、インフレ状況は悪化しているからである。50ベーシスを上げられれば市場は当面は満足するのだろうが。しかしロシアの動向がわからない。何もしないで見送るという選択肢もある。発言から何かを拾いたいものと誰もが身構えている。
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