今夜はFOMCである。それまでは様子見となるだろう。大方の予想では50ベーシスの利上げとなっているが、前回25ベーシスしかやらなかったことを考えれば75ベーシスやってもとくに驚かないといったところだ。
ところで日銀の無制限介入は金融面ばかりが脚光を浴びている。しかし財政面から見るとどうなるだろう。財政支出のための歯止めがきかなく恐れがある。それがわかっていて国債引き受けのようなことをやるのだから、確信犯だとも言えるだろう。まず第一に毎年度の予算作成に際して、財源の手当を考える必要性が少なくなる。
卑近な例では軍事費のGDP比2%までの引き上げである。借金はしてはいけないものという教訓は根本か覆されてしまっているのかもしれない。借金をいくら積み上げても、ここ数十年は何も起こらないではないか。こんな締まりにないことをやっていると円債が暴落するといっていた人びとの声も、いつの間にか消されてしまっている。
中央銀行が無制限に引き受けを表明しているのだから、この際、社会実験的にベーシックインカムもやってみてはどうかとも思ってしまう。一人あたり10万円ずつ配っても1億人だから10兆円だ。それが12ヶ月分である。
円債をその分だけ余計に発行すれば良いだけだ。財源を気にしなくてもいいわけで、今しかできないことである。悪性のハイパーインフレが起こっても、そのときには円をデジタル通貨にして、簡単にデノミにも対応できるようにしておけば便利だ。
日銀の無制限介入は財政の悪化をもたらす可能性がある。日銀が無制限に引き受けてくれるのだから、政府はいくらでも国債を発行できる。新しいお金のかかる法案であっても、その財源を気にせず通過させることができる。国の借金が無限に増えることが許されるならば、今ある各種の税金や社会保険料も無料にできる。松下幸之助が主張していた無税国家が到来するわけだ。
たがそんなことをしても、果たして国家としても機能は持つのかどうか。失われた30年と言われて久しいが、次の30年はさらに失われることになるのではないだろうか。
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