昨日はアジア時間ではユーロドルの安値攻めが強まった。新安値を更新しても、戻るには戻るが0.95台を脱しきれない。すぐにズルズルと下がってしまう展開だった。これだけ重いと、もうユーロドルをロングに使用と思うプレーヤーはいなくなりそうな感じだった。0.9540から0.9580までのコアレンジを維持しながらの、安値這い回りで欧州時間を迎えた。
イギリスの長期債が4日続落して、30年ものの利回りは5%を超えてきた。しかし月曜日のように10年債にはあまり売り圧力が出ていなかったので、通貨としてのポンドはユーロほど重く感じられない。
そこへ持ってきてBOEの国債の無制限買い入れの方針が示された。日銀と同様で、政府のやろうとしていることとは真逆である。イギリス政府は減税をはじめとする大規模な財政支出を目論んでいる。それに対して国債を買い向かうのだ。
いずれ相場は崩れると思いながらも、昨日の相場は素直にそれに反応した。またポジションもたまっていたのだろう。すべてのマーケットファクターが反転した。ポンドよりもユーロの買い戻しの激しかった。これもポジションのなせるわざだ。続落していた米国株も大幅に上昇。日経先物も東京時間につけた安値よりも1000円近くも上昇している。
私も昨日のマーケットでは0.96台までの上昇にはついていけたのだが、その後の0.97台に上がる過程ではショートに転じたりもしたので、あんまり芳しい成果とはならなかった。BOEのアクションがこれだけ評価されるとは考えていなかったからである。量的緩和を欧州のどこよりも早く打ち出したBOEなのに、また国債の買い入れに精を出すというのはいずれ破綻するような気がしているのは自分だけだろうか。
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