10月が終わって10月度のパフォーマンスが言われているが、ダウ平均は1976年以来の月間上昇率だったらしい。米国株は今年になって下げに下げて、いまだに年の半値以下に位置していることから絶対水準が高く感じられない。だからとても最大の上げ幅といっても、なかなかピンとこないのである。
それでもベアマーケットの中の大きな揺り戻しであったことは確かだ。まだ景気後退もしていないのに、すでに将来の金融緩和まで織り込んでいるのだ。どうせならばさらにその先の景気過熱による再利上げも織り込めばいいのに、都合よくそうした将来像は織り込まないことになっている。
米国株と対照的なのはドル相場の動向である。それだけ緩和への期待が強いのであれば、十分にドル高の調整が見られてもおかしくはないところだ。それがドル円は148円台に、ユーロドルはパリティ以下にとどまっている。レベル感としてはまだまだドル高方向を攻めそうな雰囲気である。
そのドル円も昨日は148円台の後半まで攻め込んでいる。こちらのほうは素直に水曜日に75ベーシスを利上げすることを喜んでいる。また仮に次回が50ベーシスの利上げになっても、ますます金利差は広がるわけで、積極的にドルと円の相対的な価値を買えるものではない。ドル円がダウントレンドに乗るためには明確な景気後退が雇用をはじめ経済指標で確認できて、そして米政府が対策を打ち出す瞬間になるまでないだろう。
今晩はFOMC前なのでマーケットは様子見となるだろう。ダイナミックな動きは期待できないが、私としてはドルを拾い買いしたいと思っている。FOMCで利上げペースの鈍化を論じなければいけないほど、足元のインフレ状況が収まっているようには見えないからだ。
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