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正常化に向かう世界。2023年になり、いろいろと変化が出てきた
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
昨年(2022年)は稀に見る大相場の年でした。40円弱ほどの米ドル/円の上昇、そしてそこから20円以上の下落。米ドル/円の年間レンジが10円程度の年が何年か続いた後だけに、今回の大相場は為替市場にも希望が残っていることを証明した感じです。今年(2023年)も大きな相場を期待したいところです。
(出所:TradingView)
さて、2023年になり、いろいろと変化が現れています。
1月6日(金)に発表された米12月雇用統計は、非農業部門雇用者数が22.3万人増と着実なところを見せたのですが、平均時給がついに対前年比でプラス4.6%と上昇幅が縮小(前回:プラス4.8%)したことで米ドルが売られました。これだけを見ると、FRB(米連邦準備制度理事会)の引き締め政策が効果を表し、ついに労働市場が冷え込み始めるのかなという印象を持ちます。
しかし、数字を精査すると、おもしろいものが見えてきます。労働参加率が62.2%から62.3%へと上昇しているにも関わらず、失業率が3.5%と低下していました。労働市場への参入が増えると、通常失業率は上昇します。それにも関わらず失業率が低下するということは、相当な雇用増がなければ辻褄があいません。
答えは家計調査の雇用増にありました。なんと71.7万人も増えています。非農業部門雇用者数の変化は事業者調査から来る数字なので、家計調査とは矛盾が生じることがありますが、今回は嬉しい矛盾でした。
これまでコロナの影響もあり、労働市場から人が消えた……みたいな言い方がされていました。しかしコロナの影響がかなり低下したからでしょう、労働市場に人が戻ってきました。ゴリゴリの利上げで需要を押し潰すことで賃金上昇を抑えることを、FRBは目指してきましたが、労働市場への供給が増えることで賃金が抑制されるのであれば、それは願ったり叶ったりで、理想的な展開です。
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中国がコロナ政策を180度転換。リオープニングで周辺国に恩恵、欧米経済はリセッション回避か
もうひとつグッドニュースがありました。中国がコロナ政策を180度転換し、リオープニングに踏み切りました。
これで中国経済は再浮上することでしょう。多くのエコノミストは、今年(2023年)の中国経済は、5%台前半の成長を見せるのではないかと予想しています。
それにより、周辺国は恩恵を受けるでしょう。タイの経済では中国人観光客のGDPへの影響が3%を占めると言われています。韓国も半導体需要が高まるので、チャンスです。もちろん、日本にも好影響あります。そのうち、インバウンド需要が高まるでしょう。
欧米の経済は、これまでインフレをなんとしても抑制しないといけないということで、需要サイドをとにかく押さえつける政策を取ってきました。その結果、おそらく今年(2023年)中にリセッション(景気後退)入りすると見られていました。
しかし、労働市場の変化と、中国のリオープニングにより、欧米のリセッション入りは回避されるかもしれません。それが見えてきたので、株価は堅調に推移し始めました。
(出所:TradingView)
米金融引き締め早期終了なら米ドル1強崩れるか。ユーロも強い通貨になる可能性
コモディティ(商品)市場も堅調です。銅がしっかり4ドル台を回復していますが、銅はこれから先、何年も続く上昇相場のスタート地点にあるのかもしれません。金も2000ドル超がターゲットになるかもしれません。
(出所:TradingView)
急激に「リスクオン」的な世界観が台頭してきました。1月18日(水)の日銀金融政策決定会合も重要ですが、リスクオンで緩やかに円安になる世界が想定されています。今しばらくは、この戦略に乗っかってもいいかもしれません。
これまで為替市場では「米ドル1強」という状況が続いていましたが、米金融引き締めが予想よりも早く終了となる可能性が高く、そうなると米ドル1強ではなくユーロも(中国経済の再開はユーロに好影響)強い通貨となるかもしれません。ユーロ/円は150円を突破すると、良い上昇相場になりそうです。
(出所:TradingView)
中国経済がよくなると、通常は豪ドルがもっとも恩恵を受けるはずです。少なくとも、理論的にはそうです。もし仮にそうならないとしたら、やはりAUKUS(米英豪安全保障協力)の影響かなと思います。豪ドルに関しては、少し身構えて注視していきたいと思います。
(出所:TradingView)
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