昨年の米ドル/円は年末まで大きく動き続けたが、ボラティリティの高い状態が今年もまだ続いている
明けましておめでとうございます、本年(2023年)もよろしくお願いいたします。
昨年(2022年)の米ドル/円は、過去にないほどの大きな動きとなりました。それは年末まで続いている状態でした。
2022年12月20日(火)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)では、YCC(イールドカーブコントロール)の変動幅拡大を受けて円高となり、年末には131円台で終わっています。
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⇒米ドル/円は、サプライズ的な日銀の事実上の利上げを受けて急落! 134~138円レンジを下抜け、130~134円にレンジが切り替わる可能性(2022年12月20日、バカラ村)
低い位置で終わったこともあり、年初は海外勢が129.50円付近まで売り仕掛けしていましたが、ただ130円台以下は買いが多かったようで、134.80円付近まで反発。
そして、2023年1月6日(金)の米雇用統計では、平均時給が低下していたこと、ISM非製造業が悪かったこともあり、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ観測が後退して、米ドル/円は131.40円まで下がりました。
(出所:TradingView)
ボラティリティが高い状態が今年もまだ続いている状態です。
市場のハト派を修正するため、FRB要人からタカ派発言が出やすく、そのときは米ドル高に反応しそう
ISM非製造業などの数字を受けて米利上げ観測が後退しており、市場では年後半には利下げの可能性の方が高くなっています。
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ただ、1月4日(水)に公表された2022年12月分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨では、FRBメンバーは年内に利下げを予想しておらず、市場との予想が異なる状態となっています。
市場の方がハト派となっていることから、それを修正するため、FRBの要人からはタカ派発言が出やすいと思います。
そのときは米ドル高に反応するのではないかと思います。
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今回の米CPIは、過去2回と比べて大幅に低い予想値が予想されており、米ドル安で推移しにくい。予想より高い数字が出る可能性も
目先の重要イベントとしては、今週木曜日(1月12日)に米CPI(消費者物価指数)、来週(1月16日~)は日銀会合があります。
過去2回の米CPIは、低い数字が出たことで米ドル安へ大きく推移しました。
今回も米ドル安に推移するのか、そこを考えてみたいと思います。
2022年11月10日(木)に発表された米CPIは前年比で7.7%。そのときの予想値は8.0%、前回値は8.2%でした。コア指数は6.3%、予想値は6.5%、前回値は6.6%でした。
そして、12月13日(火)に発表された米CPIは前年比で7.1%、そのときの予想値は7.3%、前回値は7.7%。コア指数は6.0%、予想値は6.1%、前回値は6.3%でした。
この数字を見ると、米CPIは前回値よりも11月は0.5%下がり、12月は0.6%下がっています。コア指数では、11月は0.3%ダウン、12月も0.3%ダウンとなっています。
今週の米CPIの予想値は6.5%、前回値は7.1%のため、前回よりも0.6%ダウンすると予想されています。これは過去2回の下げ幅とほぼ同じ幅になっています。
今週のコア指数も同じようにみると、予想値5.7%は、前回は6.0%となっているため、前回よりも0.3%ダウンすると予想されています。コア指数も過去2回と同じ下げ幅が予想されていることになります。
過去2回は、予想値と前回の差があまり低く設定されていなかったことから米ドル安となりましたが、今回は大幅に低い予想値が予想されていることになります。
そのため、今回の米CPIでは米ドル安に推移しにくいのではないかと思います。
反対に、予想値よりも高い数字が出る可能性もあるように思います。
経済指標はどんな数字が出るのか、発表されるまで分かりませんが、過去2回のような米ドル安の期待はしにくいように思います。
米ドル/円は売り方向だが、しばらくは130~135円のレンジが続きそう
日銀会合では、前回は黒田総裁がサプライズを行ったこともあり、来週も警戒する必要があります。
何を行ってくるのか分かりませんが、YCCもまだ変動幅を拡大させてくる可能性もあります。
リスクとしては円高です。
米ドル/円は、チャートからは2022年10月から続く下降トレンドがまだ続いている状態です。
昨年の高値から12月20日(火)の高値を結んだ下降トレンドラインは先週(2023年1月2日~)に超えましたが、安値を結んだラインで下降チャネルを作ると、まだ下降チャネル内での推移が続いている状態です。
(出所:TradingView)
そのためトレードするのであれば売り方向となりますが、ただ130円以下は買いが出ていたことから、しばらくは130~135円のレンジが続くのではないかと思います。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、一度下に振ってから上がってきた形となり、2022年10月からの上昇への動きが戻ってくる可能性
ユーロ/ドルは昨年10月から上昇トレンドとなり、12月中旬からはそのトレンドが一時的に止まっていました。
12月中旬以降は1.0575~1.0735ドルの狭いレンジが続いていましたが、年初にそのレンジを下へブレイクし、このまま下がるのかという状態でしたが、米国の経済指標で米ドル売りになったこともあり、1.0500ドル以下ではサポートされた形となりました。
一度下に振ってから上がってきた形となっているため、2022年10月からの上昇への動きが戻ってくる可能性があります。
(出所:TradingView)
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昨年の米ドル安トレンドが再度戻ってくる可能性
他のドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペア)も、米ドル安になる可能性がある状態です。
英ポンド/米ドルも2022年12月中旬以降のもみ合いを下に抜けてから上がってきており、豪ドル/米ドルもすでに2022年12月高値を超え、200日移動平均線も超えてきています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
昨年の米ドル安トレンドが再度戻ってくる可能性があると考えており、ただ米ドル/円は130円以下はしっかりしてそうですが、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルなどの買いがいいのではないかと考えています。
今週は米CPI、そして日銀会合の内容によっては動く可能性があるめ、これには注意が必要です。
それでは、本年もよろしくお願いいたします。
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