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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円の年初来高値の更新は必至の状況、137円~
138円台のトライも見えてきた! 大幅な利上げがなく
ても米ドルの反騰は続く。クロス円にも「春到来」か?

2023年02月17日(金)15:33公開 (2023年02月17日(金)15:33更新)
陳満咲杜

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米ドル/円は137円~138円台をめざす!?米CPI通過で
市場は「利下げなし」というシナリオに!

 米ドル/円は上昇している。前回のコラムにて指摘したように、2023年年初来高値の再更新が目前に迫っており、上値目標の上方修正を行いたいところだ。結論から申し上げると、137~138円台の打診が見えてきた。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は、134.79円の年初来高値を近いうちに試す可能性が大きい! 底打ちを果たした米ドルの上昇は続く! 米ドルの買いスタンスを維持していくべき(2023年2月13日、陳満咲杜)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 米ドル/円の上昇は米ドル全体(ドルインデックス)とリンクしており、背景には、やはり米利上げサイクルに関する観測がある。

 市場センチメントとして、昨年(2022年)11月から急速に米ドル安観測に傾いたが、それはほかならぬ、今年(2023年)後半に米国が利下げしてくるのではないかといった推測があったからだ。

 米利上げが続いているうちに、利下げまで予測していたのにも、わけがあった。

 少なくとも昨年(2022年)9月、10月前後まで、今年(2023年)において、米リセッション(景気後退)があるというような、ネガティブな観測が市場のセンチメントとして浸透していた。急激な利上げが続いてきたから、景気後退を余儀なくされるといった見方自体、単純な発想にすぎなかったが、米ドル売りの材料として、その後、大きく効いてきた。

 しかし、2023年2月3日(金)の米雇用統計から状況が変わった。米国のリセッションはなく、2023年後半の利下げの確率が高くないかもしれないと思われはじめ、今週(2月13日~)に入ってから米CPI(消費者物価指数)の通過で、市場センチメントはもう利下げなしといったシナリオに傾いた。

 そうなると、当然のように、米ドルのショートポジションが買い戻され、新規のロングポジションが参加してきた。さらに、昨晩(2月16日)から急速に浮上してきたのは、なんと3月に50ポイントの利上げありという観測だ。言うまでもなく、米ドルの一段上昇につながり、米ドル/円でいえば、2023年年初来高値の更新必至という状況だ。

 筆者が繰り返し指摘してきたように、そもそも米利上げサイクルのピークアウト、または2023年後半の利下げありといった観測は、トレードの根拠、すなわちトレードアイデアとしては優れていたが、さんざん利用されてきた分、その「賞味期限切れ」のリスクが大きかった。

 換言すれば、米ドル売り自体が行きすぎた分、材料面や市場センチメントも後を追う形で反転してくる可能性が高い。米3月大幅利上げなしでも米ドル安に対する修正が行われやすく、米ドルの反騰が続くはずだ。

ドルインデックスはRSIが示唆していたトレンド転換が現実に

 テクニカルの視点において、RSIを使った検証が役に立つ。今回、ドルインデックスが、いったん2022年5月末の安値を割り込んでから切り返してきたから、同安値からのチャート(日足)を見てみよう。

 レートと対応するRSIの安値を確認していくとわかるように、2022年5月末安値に対応するRSIの安値は、チャート内の番号「1」が指したところだ。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 その後、8月安値(事実上はRSIは終値に対応するものだが、ここではわかりやすく解釈するため、安値を強調している、以下同様)に対するRSIの安値が番号「2」のところだったが、大体同じ水準にあったから、事実上、強気変動区間の下限を示していた。

 そして、同下限をいったん割り込んでいた疑いがあったのが、昨年(2022年)10月末の安値に対応するRSIの動きであった(番号「3」)。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 しかし、その後、再度切り返し、底割れを回避していた。

 本格的に割り込んでいたのは、2022年11月10日(木)の大陰線に伴ったRSIの急落だ。そこからは弱気変動に入り、RSIの強気変動レンジの下放れ自体がトレンドの転換を強く示唆していたというわけだ。

 前述のように、そこからトレードアイデアとして2023年後半の米利下げありという「材料」が利用され、米ドル売りに拍車を掛けた。ベア(下落)トレンドが明白になればなるほど、米利下げという観測が盛んになり、また米ドル売りを呼ぶような循環になっていたから、米ドル全体の売られすぎをもたらしたわけだ。

 下落トレンド途中における切り返しは、早くても2023年年初の時点にて観察されたが、たちまち再度の頭打ちとなり、その後の安値更新につながった。1月6日(金)のいったん高値更新、また当日の大反転が2月1日(水)までの下落をもたらしたが、同日に対応するRSIは、いったん切り返した(番号「5」)がたちまち反落し、安値圏でレンジを形成した。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 ただし、1月6日(金)にていったん切り返したRSIの高値には、参照する価値があった。これからRSIが同水準を再び上回れば、従来の弱気変動レンジから再び強気変動レンジへ復帰してくる可能性が大きいから、注意深く観察されるべきだったのだ。

 同シグナルが現実になったのは、2月15日(水)だった。同日の大陽線をもって米ドル全体が買われ、下落波から離脱したことが強く示唆された。

 米ドルのショートポジションも、実はその時点にて決済しないといけなかったわけで、米ドルの反騰が続くにつれ、米ドル反騰に寄与する材料も出やすく、また市場センチメントも後を追うように、米ドルロングスタンスに傾いてくる。これこそ相場の真実であり、これからも変わらないとみる。

 ドルインデックスの上値といえば、まず2023年年初来高値の再更新であるが、目先のレートで言えば、100PIPS超の距離がある。

 半面、米ドル/円は執筆中の現時点で、すでに年初来高値寸前まで上昇しており、その差は歴然である。だからこそ、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の春が来たと思う。その訳はまた次回にて詳説、市況はいかに。

14:40執筆

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