先週の金曜日は雇用統計だった。ここ3回連続で悪目に出ても、そちらの方向、すなわち株安・ドル安に向かわなかったことが続いているので、マーケットの関心は薄れてきているようにも思える。ま、経済指標の通りに相場が動かないのであれば、日本人にしても、わざわざ夜に画面に向かってまで取引に励むなどということは少なくなるのも当然だろう。
ましてや今の市場の関心は完全に中東情勢に移っており、高値トライを続ける原油相場にスポットを当てている。おまけに欧州はいよいよ利上げモードに。欧州初の要人発言も重要度を増してきているのだ。
まあ、それでも為替相場では、特にユーロが緊張感を醸し出す位置につけていた。ユーロの利上げ期待が高まってきているのを反映して、ユーロドルは1.40台を狙い、ユーロ円はここ数回の上サイドのレジスタンスであった115円台からの上方突破をもくろんでいる。雇用のデータが出るまでは小動きが続いたが、いかにもまずはユーロ高の方向を攻めて、すっきりしたいという感じだった。
実際の雇用統計では、失業率が8.9%に下がって改善。一方で就業者数は予想を下回っての19万2千人だった。マーケットはどちらに反応していいかわからず、ファーストアクションは鈍かった。
しかしとにかく上をやりたくてしょうがないユーロは、ゆっくりと上昇していった。発表から5分くらいたったところで、1.40台に達した。しかしあまりにもそのスピードがのろい。とてもトレンドフォローということで、ロングでついていきたくなるような勢いがまったく見られなかった。
他の市場見てみても、株も債券もサッパリ動いていなかった。もしこのままユーロドルが1.4050くらいまで上がりきったら、その後の押し目である1.4010あたりでは買おうと思ったが、肝心のそのユーロドルはゆるんできた。ユーロ円も116円台に一瞬だけ乗せたので、達成感もあったのかもしれない。
結局、私はドル円の83円台後半でも売り損なったし、早々に寝ることにした。朝に相場を確認すると原油が105ドル近くまで上昇して、マーケットがリスク回避の方向でひと波乱あったようだ。クロス円は確かに調整売りが出たようだが、ユーロドルは1日を通じても50ポイントくらいしか動かなかった。ドル円のほうが、値幅が大きいなんて、とってもひさしぶりだ!
アジア時間でもじりじりと原油価格は上がり続け、WTIは106ドル台となっている。 今晩はなにもイベントはない。注目材料は、原油価格だけだ。原油が上がれば上がるほど、リスク資産からの逃避が強まるだろう。今夜に限ってはユーロショートのほうがワークするかも。ユーロ円ショートででも、勝負してみようかな。
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