■先進国の利上げ合戦が欧州からスタートした
先週、ECB(欧州中央銀行)のトリシェ総裁が、4月の利上げを匂わす発言をしました。
その発言を受けて、ユーロは一時的に急上昇し、ユーロ/米ドルは1.4ドル台、ユーロ/円は116円台まで上昇する局面がありました。

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以前から先進国の利上げ合戦がいずれ始まるとの見通しをお話してきましたが、いよいよ欧州からスタートしそうです(「欧州や英国で顕著になってきたインフレ。市場の関心は利上げの行方に集まりそう」を参照)。
イギリスも、2月の金融政策委員会(MPC)で9人中3人が利上げを主張したということですので、そろそろ利上げが近づいているということでしょう。3月か、ECBに合わせて4月になると思います。
■米国は6月に利上げ? でも、米ドルは当面こう着しそう
さて、その次はアメリカがどうなるかということです。
私は、アメリカの場合は6月頃が1つの目安になると思っています。
6月にFRB(米連邦準備制度理事会)による国債買い入れがいったん終了するのですが、これを継続するかどうかという議論と合わせて、金利を上げていくのかが決められるでしょう。
米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)の旗艦ファンドである「トータル・リターン・ファンド」PTTRX.Oが、2月末現在で米国債・米機関債など米政府関連債券をすべて売却したことを発表しています。
このファンドで2369億ドルを運用するビル・グロス共同最高投資責任者(CIO)も、6月に量的緩和が終わって、そこから次のステージに入ると読んでいるのだと思います。
利上げが始まれば米ドル高になる可能性が高いと思いますが、まだ先のことですので、当面の米ドル相場はこう着するのではないかと思います。
直近での利上げが期待されている英ポンド、ユーロなどを押し目で買うというのが短期的にはよいのかもしれません。
■NZドルは低水準で推移せざるを得ない
一方で、ニュージーランドの金利が0.50%引き下げられました。これで2.50%です。かなり低いですね。
利下げしたということは、少なくともしばらくは利上げはないということでしょうし、実際の水準がこれだけ低いとなれば、やはりNZドルは低水準で推移せざるを得ないと思います。

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ただ、豪ドルに関しては、次があるとすればむしろ利上げですので、ニュージーランドと同じように考えないでいただきたいと思います。
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