こんにちは。
■ユーロの懸念要因がスペインやイタリアにも波及した
先週末にユーロ圏の周辺国から悪材料が続出したため、「sell in May and go away」の相場は、ユーロに関しては今週も続いています。
これまでに、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドといった欧州周辺国に関する悪材料は、すでにマーケットへ織り込まれていました。よって、ユーロの下落には結びつきませんでした。
ところが、懸念要因がスペインやイタリアに波及したことで、ユーロの上値が抑えられる展開となっています。
まず、スペインで5月22日(日)に行われた地方選挙で、与党の社会労働党が約30年ぶりの大敗を喫しました。
さらに、格付け機関のS&Pが、イタリアの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。
これにより、イタリアとスペインのCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が上昇したのです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ユーロ/米ドルは一時、節目の1.4000ドル台を割り込む展開となっています。
■悪材料続出でも、出口戦略が遠のいたわけではない
ただ、アメリカにも悪材料が多いため、米ドルを積極的に買っていく状況ではありません。
したがって、ユーロ売りの主体はユーロクロス(米ドル以外の通貨とユーロの通貨ペア)です。
特に、ユーロ/スイスフランはユーロ導入来の最安値を更新しており、「スイスフラン高」傾向が堅調になっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 日足)
一方、ユーロ/米ドルは、週初に1.4000ドルを割り込んで1.3976ドルまで下落しましたが、現執筆時点では1.4160ドルレベルで推移しています。
ユーロ/米ドルの今週のオープニングは1.4142ドルなので、4日間かけて、今週のオープニングまで値を戻したことになります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
5月25日(水)の海外市場においても、ユーロの悪材料は多々あるものの、マーケットから聞こえてくるのは1.3970ドルから1.4000ドルレベルでの買い注文です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)