マーケットのセンチメントとは裏腹に、市場参加者のユーロ/米ドルの目線はそれほど深いわけではありません。
中期のプレイヤーは、1.4000ドル割れのレベルではアメリカの金融緩和方針に着目し、ユーロを買い戻すという方針のようです。
そもそも、ギリシャの債務問題がこれほど取りざたされているにも関わらず、ドイツ連銀のバイトマン総裁は「ECB(欧州中央銀行)は金利正常化を図り、出口戦略を推進」という発言もしており、これまでユーロの上昇圧力となっていた「ECBの出口戦略」が遠のいたわけではありません。
むしろ、出口戦略が遠のいているのは、アメリカと日本です。
ただ、短期的には、ギリシャの債務問題に対する懸念がなかなか払拭できない状況であるため、今後もヘッドラインを賑わす債務懸念報道で、ユーロ/米ドルが大きく値を下げる可能性はあるでしょう。
しかし、中期的に見れば、金利政策の相違から「米ドル安」が徐々に優ってくると考えています。
■「Sell in May and go away」はコモディティから
さて、ギリシャの債務問題で揺れるユーロとは対照的に、6月に向けてジワジワと値を戻しているのがコモディティです。
ユーロクロスが値を下げる中、5月25日(水)の商品相場は反発しています。
欧米株式相場も上昇しており、「恐怖指数」とも呼ばれる「VIX指数」は前日から4%超低下していて、リスク回避の動きは弱まりつつあります。
このコモディティの上昇とともに、NZドル/米ドルは0.8000ドル台を回復しており、一時は0.8081ドルまで急騰しています。米ドルは大きく売り込まれているのです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 日足)
また、「GEキャピタルが豪モーゲージ市場から撤退」との話題で5月25日(水)に下落した豪ドル/円も、85.44円の安値から、5月26日(木)には86.85円まで急上昇しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
ギリシャの債務問題に揺れるユーロではなく、コモディティの行方を見ながら、当面のところはオセアニア通貨の買い場を探る展開でしょうか?
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