昨日の注目は、なんといっても欧州の首脳会議だった。ギリシャ問題について、どのような追加支援策を打ち出してくるのか。事前会談も持っていたドイツとフランスの新提案に関心が集まっていた。それに対して他のEU諸国が合意するかどうかなのだ。前触れではかなり飲めないような内容が盛り込まれそうだということだった。
評判の悪い金融取引税の導入が主軸になると考えられていたのだから、どうせ合意を取り付けるのは困難ではないかという見方が大勢を占めていた。そういうわけで欧州市場の入り際ではマ-ケットは大きくリスク回避に向かって行った。ユーロドルはどんどん売り込まれ、安値張り付き。
アジア時間には1.42台の後半であったものが、1.41台のミドルまで下げて、戻らず。私も何べんかショートに振ってみては、止まったらすぐに買い戻し。しばらく止まっていても、やはりさらに安いレベルを目指してしまうという、そのような動きの繰り返しであった。
夜の9時すぎになって欧州会議のドラフトらしきものが出てきた。内容はあまり過激ではなく、一括債であるEFSF債の活用を図ることや、1600億ユーロの追加融資を決定したことなどが伝えられた。内容の成否についてはともかく、市場の不透明材料のひとつがなくなったということで、マーケットは反対の方向に動き出した。
リスクテークが活発となり、グローベックスでは米国株が急上昇。ユーロも全面高の勢いとなって、ユーロドルは1.43台まで乗せてきた。ニューヨーク市場になってもその流れは変わらず、早い時間のうちにユーロドルは1.44台も見せた。ユーロベアに構えていた私はこの上昇局面では何もしなかった。まあ仕方がない。
本日の早朝は例のドタバタがあった。早朝の6時過ぎにバリューデートが変わる頃を見計らった動きだ。それだけ個人投資家のFXのポジションも溜まっているのだろう。ドル円は78.13まで突っ込んで、ユーロドルもドル売りの流れに乗って1.4438まで上昇した。ここで投げ売りなどのストップ注文がはけた後は逆向きに戻ってくる傾向がある。
私は自分の基本的なビューとは関係なく、ドル円の安いところをすかさず買ってみた。78.45だった。ユーロドルもついでに1.4408で売り込んだ。まあ、東京の仲値くらいまでにはフェイバーになればいいなという軽い感じだった。もちろん自分自身のロスカットゾーンは朝に突っ込んだところである。
しかし今週いっぱいをかけて進んできたドル安の流れだ。そう簡単には反転しない。結局、私は午後まで粘ってみたが、15ポイントずつを抜くのが精いっぱいだった。いちおうこれでポジションをきれいにして、欧州時間からの値動きに備えることにした。
昨日のギリシャ対応策では、実質的にギリシャのデフォルトを認めるとしたものと同様である。これが本日の欧州市場で、どのように受け止められるかだ。ニューヨーク市場の前にGEや跳ハネウェルの決算発表もあるが、もうすでに決算のヤマ場を越えたので、注目度は薄くなっている。
ギリシャは例外で、他にはこのような措置は取らないという立場であるが、本当にそう評価されるかどうか。とりあえず欧州序盤、ちょびっとだけユーロ円ショートで臨んでみている。
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