(「宮田直彦氏に聞く(2) 米ドル/円とよく似た米ドル/スイスフランが大底を打った意味」からつづく)
■エリオット波動の「円高5波動」完成へ
さて、米ドル/円と兄弟のような米ドル/スイスフランはすでに転換点を迎えた可能性が高いという話だった。
では、米ドル/円はどうなるのか?
ここからはいよいよ、米ドル/円のチャートについて、宮田さんに聞いてみよう。
まずは米ドル/円の月足チャートからだ。
「米ドル/円は2007年6月の124.16円でエリオット波動のIV波を終え、V波に入っています。このV波をもって、1971年からずっと続いてきた5波動をすべて走り終えることになるのです。
では、それはいつなのか? どんな水準になるのか? ということが気になりますよね。
タイミングはまさに今、2011年10月ごろではないかと考えています」
「これまで再三再四出てきた16.5年周期。上のチャートのとおり、これが米ドル/円にもあるのです。これは安値から安値までのサイクルですね。このサイクルでは、2011年10月というタイミングが出てきます。まず、これが1つ」
■40年に及ぶ米ドル/円の円高基調がすべて終わる!
「もう1つはボラタイルサイクルです。ボラタイルサイクルというのは、高値をつけるのか、安値をつけるのか事前にはわからないけれど、一定の周期ごとにそれまでのトレンドが変化するというものです。
その付近でボラティリティ(変動性)が高まるので、ボラタイルサイクルと私は勝手に呼んでいます。
そして、米ドル/円には162カ月というボラタイルサイクルがあると考えているのですが、124.16円の高値をつけた2007年6月から162カ月目というと、これは2012年2月になります。
1つのサイクルが2011年10月、もう1つが2012年2月。少しずれていますが、これは別々に考えるよりは、同一視すべきでしょう」

「ボラタイルサイクルでは安値ではなく、高値をつける可能性も理論的にはありますが、いくらなんでも、2012年2月にたとえば、120円というような高値をつけるのは時間的に無理だと思います。
となれば、今現在、2011年10月から2012年2月ぐらいまでというこの期間は、40年に及ぶ米ドル/円の円高基調がすべて終わるタイミングなのだろうと思うのです」
では、今度は米ドル/円の週足チャートを見て、また違う観点から、今はどういう局面なのか、宮田さんに解説してもらおう。
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