昨日や日本がお休みだったが、早朝からマーケットは荒れだした。独仏の両首脳がギリシャの国民投票について苦言を呈したのがきっかけだったのだが、それを契機にマーケットは急速にリスクオフへと向かい始めた。私もクロス円でも売ってみようかなと思っていたが、なにぶんにも日本人が休みなので相場が薄い。
すぐにひゅるひゅると戻ってくるのではないかという恐れもあって、ユーロ円の107円台ではなかなか手が出なかった。しかしグローベックスでの米国株が安値を拡大してくるにしたがって、リスク回避が本物だと認識できるようになって、私もユーロ円をちょっとだけ売り込んでみた。
ユーロ円はすでに106円台の後半まで押し込まれていたが、ユーロドルはトップから下落してもまだ50ポイントほどの1.36台の後半。今週の安値は1.36台の前半なのだから、まだまだ行けそうな気がした。
グローベックスでは米国株がますます下げ幅を拡大してきており、日経先物も前日の安値である8600円を下回ってきている。まあ、これが反転し出したらユーロ円のショートを止めようと思い、構えていた。
そしてアジア時間のランチタイムを越したあたりから海外株は次第に切り返し始めたので、私もユーロ円はカットしたのだが、結局は106円台の中盤までがせいぜい。あんまり激しい落ちとはならなかった。
欧州市場でもギリシャ問題で揺れることとなった。ギリシャ議会の野党が首相の辞任を迫っているとか、ギリシャの2年債の利回りが100%を越えてきたなどだ。国民投票で世の中を騒がせた責任をとって、首相が辞任するのではあれば、それはユーロ買いの材料とみなされるのだろう。
急速にユーロ買いが強くなり、ニューヨーク勢が参入するころにはユーロドルは1.38台を取り戻していた。そこへもってきてサプライズだったのが、ECB(欧州中銀)の利下げだ。ドラギ総裁は新任ということもあり、まず存在感を示したかったのかもしれない。ユーロは売られ、昼間の安値近辺まで押し込まれた。ユーロ円も同じ。
ニューヨーク市場ではギリシャの国民投票が取りやめになるのではないかとの観測が立ちはじめていた。ギリシャ首相はやる気まんまんなのに、政権与党の内部からも反対意見が多いようだ。それが通信社の記事で流れると市場はいっせいにリスクテークへ。
米国株は急伸し、ユーロドルも1.38台のミドルへ。夜中は相場を見ていなかったが、ギリシャ財務相も国民投票に反対の姿勢を鮮明にしたことで、米国株は高値追いのままクローズを迎えることとなった。
昨日、激しく動いたせいもあってか、今日のアジア時間は小動きとなっている。やはり夕方からの欧州勢の出方を待ってからということだろうか。なんにせよ、欧州発の要人発言には要注意。今晩の雇用統計も存在感が薄れている。ペイロールの予想は9万から10万人の増加が見込まれている。
しかし5万から15万まではマーケットはあまり驚かないだろう。つまりマーケットに与えるインパクトも、一時的なものとなるだろうということだ。開催中のG20方面からのコメントにも気をつけたいところだ。
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