綱渡り状態を続けているギリシャですが、直近でもイベントが1つ控えています。ギリシャの債務交換提案に対して、投資家の応募期限が迫っているのです。
そこでまずは、この提案内容について確認してみましょう。
■ギリシャ債務交換は無事に乗り切れそうだ
この債務交換ですが、民間投資家が保有する2060億ユーロ相当のギリシャ債の元本のうち、53.5%を減免する交換によって債務危機を収束させることを目的としています。
問題だったのは、募集開始からしばらくの間、申し込みが低調だったということです。
このままでは債務交換がうまくいかないのではないか? ということで、これが市場へ不安を広げる局面もありました。
ただ、その後の様子を見ていると、最終的には何とか無事に終わりそうだと思っています。
そして、この問題を解決できれば、さらに市場の不安材料となっていた、3月20日(木)のギリシャ国債の大量償還もしっかりと乗り切ることになるでしょう。
■やはり株価の上昇しやすい環境が続いている
そして、ここ最近みなさんにお伝えしているような、市場環境は依然として変化していません。
米国の経済指標を見ると、ISM製造業景況指数も50をしっかりと上回り、3月7日(水)のADP雇用レポートも予想をやや上回る数字になっています。
緩やかではありますが回復基調にあるのが米国経済でしょう。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
その上で、日米などの金融緩和による株式の押し上げ効果がまだ有効に機能しています。
加えて、中国では預金準備率の引き下げが継続的に行われているわけですが、同じBRICsの一員であるブラジルでも政策金利の引き下げが行われています。
現在、各国はインフレ抑制よりも景気拡大に軸足を置いた、財政運営、金融政策を行っているように見えます。したがって、その点から言っても、やはり株価の上昇しやすい環境が続いていると言えるでしょう。
■株高と円安が同時に進みやすい環境は今も健在
株価のチャートを見ると、かなり上昇してきています。
少し小休止するかもしれませんが、ここから反落していくような材料は見当たりません。

(出所:米国FXCM)
そして、株高と円安が同時に進みやすいというマーケット環境は今も健在です。そうなると、米ドル/円相場もクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場も下値がしっかりしてくることになってくると思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 VS 円 日足)
ちょっと利食いの売りが入って下げたところをていねいに拾っていく戦略が、有効になってくるのではないでしょうか?
■ギリシャ問題やイラン情勢には警戒も必要
ただ、注意したい点もあります。
1つはやはり、ギリシャの問題。
ある程度解決方向に進んではいますが、何か、大ドンデン返しがあると、相場が乱れる一要因となるでしょう。
ただ、この可能性はそれほど高くないと思っています。
もう1つはイラン情勢です。
仮に、イスラエルがイランを攻撃するような事態が発生した場合、原油価格が高騰する可能性があります。その結果として、リスク回避の動きが急速に進むかもしれません。
株安・円高ということです。
この問題は本当に起こるか、いつ起こるかわかりませんが、可能性としてゼロではありませんから、警戒しておく必要があります。
このような問題に注意しつつ、市場環境に変化がない現状では、クロス円の下値を拾っていきたいと思います。
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