ここ最近の為替相場ではこう着状態が続いている。これは株も債券もドラスティックに動いていないので仕方のないところだ。ユーロドルは1.2480から1.2560あたりでレンジ相場をやっている。どちらかに抜けるには、たしかにフレッシュな材料を欲しているようだ。その契機になるのが今夜のジャクソンホールになるのか。
世の中が期待しているほどのものが出てくるとは思われないという一面もある。それを反映してか、昨日の海外市場ではリスク回避の方向にやや振れた。いろいろな米紙でもバーナンキ議長が今回の講演で目新しいことは言わないであろうというのが大勢を占めてきた。
また欧州の問題でも、その進捗がかなり困難であることが再認識されはじめている。ドラギ総裁の欠席発言もそうであるが、来週のECB理事会までに画期的な政策が打ち出せるのかどうか。
「何でもやる」などと総裁自らがコメントしてからの政策期待で上がってしまった株価の上昇分は、簡単に下げ余地へと変わってしまう可能性をはらんでいる。これがリスクオフの極端な状態を醸すかもしれないので、9月相場の方向性を決定することにもなりかねない。
そうした様々な思惑や観測があるものの、昨日の欧州市場ではユーロは依然として高い位置でステイ。欧州序盤でメルケル首相が「秋には一段と踏み込んだ決定も」と言ったことが好感されてのことだが、私としてはユーロドルはレンジ相場だと思っているし、その上限である1.2588に近づいたところではユーロ売りのチャンスだと思っている。
そこで私はユーロドルが1.2550を越えてきたところで、様子をみながら、1.2555で売ってみた。ロスカットは1.2590で行うのは明白だが、利食いは1.24台に入ったらすぐにやるというのが方針だ。それほどダイナミックに動くものとは思っていない。
ニューヨーク時間になって、IMF発表でスペインが依然として支援要請していないということで、やや欧州の信用不安が高まった。ユーロも下がってきて、私の利食いゾーンへ。ユーロドルは1.24台に差し込んだものの、やはり深押しをせず。かといって、戻るわけでもない。当面の目標は達したので、1.2503で買い戻して、翌日のジャクソンホールにむけて体力を温存することに。
今日は満月だ。アストロの好きな人によれば、変化日になるということだ。変化するのだから、これまでたまりにたまったリスクテークのポジションが解消される方向に動き出すのか。そのための材料としては、ジャクソンホールでの失望というのは、タイミングとしては絶好であろう。
ちなみに今月はブルームーンといって、満月が2回ある月であった。その分、破壊力も大きければいいのだが。とにかくトレーダーとしては、8月相場で動きが少なかった分を取り返すくらいに激しく動いてもらいたいものだ。
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