金曜日のアジア時間、にわかなショートカバーを演じたユーロドル。1.27台の後半まで上昇したのには、私としてもちょっと驚きだった。1.2750あたりをトップに頭を押さえつけられると思っていたからだ。自分にとっては想定外のことだったので、ちょっと手が出なかった。
しかしドル円、ユーロ円、ユーロドルなど主要な通貨ペアに対しては、私はすべてベアなので何かを売っておきたいものだと思っていた。そうしたらドル円が79.30を割り込んできた。どうせさらなる急速な下げということにはならないだろうと思いながらも、ついつい79.28で売ってしまった(笑)。
そしてドル円は前日の安値をも下回ってきたのに、ぜんぜん下向きに走らない。予想されたことではあったが、こうなるとポジションを持っているだけでも苦しい。横ではユーロドルがどんどん下げている。ああ素直にクロス円だけにしておけばよかったか。どうやらEU関係者の話として、12日の財務相会合だけではギリシャ支援の具体策はまとまらないだろうとのことが出てきた。
そういうネガティブなトピックに対してユーロが素直に反応しているようだ。ドル円が重く見えるのも、ユーロ円がリスク回避で売られているからだろう。ユーロ円も100円台に突入している。ドル円をやっている場合ではないと思い直し、ほぼ同値で買い戻した。
ユーロ円かユーロドルを売らなくてはと思いながらも、すでにユーロドルは1.2700をも割りそうな水準であり、どうせ売るならば割れてからの方がよいだろうということで、1.2697で売りのストップ注文を置いておいた。ギリシャの副首相が「現金の準備がもうない」というようなことを言ったらしく、市場はますますリスク回避に向かった。
米国株は8月上旬の水準まで急落し、これで緩和期待で株価上昇を演じたサマーラリーの分はすべて吐き出したことになる。私のユーロのストップメーキングもダンになって、ちょっと下値模索。ユーロドルは1.2690まで行ったが、そのあとは1.2700をはさんでの一進一退となった。走らない。私もロスカット体制に入らないといけないかもしれない~。
ニューヨークの現物株が始まるまでに米国株はやや値を戻してきた。すでに安値圏を脱している。これではリスク回避に励んだ分のショートカバーが起こるのは必至だ。私はやむなく1.2710で買い戻して、米国株の動向をうかがうことにした。やはり米国株は堅調な値動きを示し、ユーロ円もユーロドルも下値押しはやめてしまった。
それでも私は大統領選の後の流れは本質的に変わってはいないと思っているので、どこかでユーロ売りに取り組まないといけないと考えている。これはデイトレーダーの弱いところで、自分のビューがかなり明確にあっても、目先の値動きには逆らえない。
その後はオバマ大統領の演説を期待しての大きなリスクテーク、つまりショートカバーなのだが、反動があって米国株は上昇。ドル円が79円台のミドルまで戻してくる過程でクロス円もやや回復。しかし演説の内容が従来と同じで、拒否権の行使も辞さないといた姿勢に変わりはなかったので、財政の崖問題は長期化しそうだとの見方から、再びリスクオフになってニューヨーククローズを迎えた。
今週もリスクオフの流れに変わりはないだろう。週の前半にEUの財務相会合があるので、欧州の信用不安が高まることもありうる。ギリシャ支援の第3弾で明確に具体策が出てこないとなると、ユーロにとってもかなり厳しい局面を迎えることになりそうだ。ここ2カ月間のユーロの上昇で、かなりのユーロロングのポジションもたまっていそうだ。
しかしアジア時間では小動きで、あまり方向感が出なかった。海外市場頼みだが、今晩は米国市場が休み。でも株式市場はやっているので、リスクの方向性は問われそうだ。それでも大きな変動は期待できないのかもしれない。EUの財務相会合ではギリシャ支援の決定がなされないものとなっているのも、すでにマーケットのコンセンサスになっているので、サプライズにはならない。
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