■安倍総理の経済政策が円安シナリオを補強
みなさん、こんにちは。
12月25日はもちろんのこと、例年クリスマス期間は多くの欧米参加者が休暇をとるため、為替マーケットは大きな動きはありません。
ところが2012年の為替市場は、クリスマス当日ですら関係なく大きく変動しています。
欧米投資家の注目はアベノミクス。
アベノミクスとは、自民党総裁・安倍晋三氏が構想する経済政策のことで、内容は以下のとおりです。
(1)物価目標(インフレターゲット)を2パーセントに設定し、日銀法の改正も視野に入れて大胆な金融緩和を行う。
(2)財務省、日本銀行、および民間が参加する外債ファンドを創設し、外債購入の方策を検討する。
(3)緊急経済対策を断行し、補正予算と新年度予算を合わせて切れ目なく経済政策を実行する。
この政策をサポートする財務相には麻生元総理が就任しました。
新閣僚発言において、彼は「総合円高対策を実施する」とコメント。
そして、甘利経済再生相は「為替を競争可能なレートに持っていく、日銀の金融政策決定会合への出席を検討する」と述べ、市場の円安シナリオを補強する展開となっています。
■浜田宏一氏の登用で円安がさらに加速
加えて、欧米勢が注目したもう1つの要因は、経済担当の内閣官房参与に、安倍氏の大規模な金融緩和政策を理論的に支える、米エール大の浜田宏一名誉教授の登用が固まったこと。
浜田宏一氏といえば、教え子である日銀総裁の白川氏へ公開書簡を送ったことで有名です。
「不適切な金融政策で苦しみを味わっている国民のこと、産業界のことを考え、あえてお手紙する決心を致しました。
白川君、忘れた「歌」を思い出してください。お願いです。」
『伝説の教授に学べ!本当の経済学がわかる本』より
リフレ派(※)が良い悪いという問題ではなく、浜田氏がブレインとして加わったことで、日銀への金融緩和プレッシャーはさらに高まります。
欧米勢はこの報道にも敏感に反応し、円安はさらに加速しました。
(※編集部注:リフレとは、金融緩和政策などによって、緩やかなインフレを起こすことを推進する考えのこと)
■ヘッジファンドの米ドル/円上値メドは90円!
米国の「財政の崖」懸念も残る中、当面、時間がかかるだろうと思われていた米ドル/円85.00円のバリアが、クリスマス翌日の12月26日(水)に決壊。
そして今年の高値はもとより、2011年の高値である85.54円も突破し、一時85.87円まで高騰しました(本稿執筆時点の米ドル/円は85.80円)。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
このレベルは、12月21日(金)に自民党の石破幹事長が述べた、米ドル/円は「1ドル=85円から90円が望ましい」というレンジ圏に早々と到達したことを意味します。
安倍危機突破内閣から繰り出される、リフレ政策のコメントが円安を加速させています。
年の瀬も押し迫った時期に、85円台を回復した米ドル/円は、今年(2012年)のレンジ相場とは違った局面に突入しました。
この時期でも活発に取引しているヘッジファンドの目線はさらに上がり、上値のメドは90円。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
10月までは狭いレンジで終始し、市場参加者の取引がぐっと減っていた米ドル/円という通貨ペアは、年末に入り世界中から注目を浴びる通貨ペアに変貌しました。
そして、日本株を低めの投資割合にしていた欧米勢も、日本株の買い直しに奔走しています。
2013年の注目は、日経平均と米ドル/円です。
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