■86.75円~90.75円のダブル・ノータッチ・オプション
さて、上記の石破レンジに加え、マーケットで話題になっているのが米ドル/円のダブル・ノータッチ・オプション(DNT option、※)です。
1月に入り、オプションマーケットでは、2 monthで86.75円~90.75円のダブル・ノータッチ・オプションが大口で持ち込まれたようです。
この影響がスポットマーケット(直物市場)にも大きく影響しています。
1月9日(水)に米ドル/円が下落した時の安値は86.83円で、ダブル・ノータッチ・オプションの86.75円を下抜けることはなく、その後89.67円まで反発しました。
(※編集部注:一定期間中に、上下2つの価格のどちらかへ到達するか否かをかけるオプション取引のこと)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
このオプションは2 monthで組まれているため、ファンダメンタルズとは関係なく、米ドル/円は当面このレンジ内での推移になる可能性も濃厚。
年初から上昇を続けていた米ドル/円も、90.00円を目前にして一服しています。
短期では、政策当局者のコメントが影響を及ぼすのでしょうが、今回の米ドル/円は「アベノミクス」(※)のみで上昇しているわけではありません。
このコラムでも何度かご紹介しているとおり、日本が貿易赤字国に陥っていることなど、円を取り巻く環境が大きく変貌していることが、円安の背景にあります。
(※編集部注:安倍首相が主張する経済政策の造語)
【参考記事】
●日本の貿易収支悪化をきっかけに円安へ。米ドル/円は反落を繰り返しながら上昇か(10月25日、西原宏一)
しばらくは時間調整で86.75円~90.75円でのもみ合いが続くのでしょうが、円安基調は変わりません。
米ドル/円は次第に上値を切り上げ、90円台が射程に入ってくると考えています。
年間の米ドル/円の上値メドは95円でしょうか。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
引き続き、米ドル/円と日経平均の動向に注目です。
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