■日本の貿易収支の悪化で80円台に乗せた米ドル/円
みなさん、こんにちは。
緩慢な動きながら、じわじわと米ドル/円が上昇し、2012年10月23日(火)には一時80.02円まで回復しました(本稿執筆時点での直近高値)。
この円安のきっかけは、10月22日(月)に発表された日本の貿易収支。
中国問題に起因して国内製造業を中心に景況感も悪化しました。
加えて中国における生産減などの悪材料や、外需の下振れなどにより、7-9月期、10-12月期と2四半期連続でGDPマイナス成長の可能性も報道されています。
米ドル/円の80.00円には本邦輸出勢からかなりまとまった米ドル売りが控えていると言われていましたが、友人によれば想定していたほどではないとのこと。
どちらかというと、オプション絡みの米ドル売りが80円台に散見される模様。
オプション絡みであれば一度80.00円で止められても、下落すれば同プレイヤーからの買い返しに変わるため、下値は限られてきます。
実際、10月23日(火)に80.02円に到達したあとの戻しは79.69円までと限定的でした。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■日銀の追加緩和発表後の米ドル/円の下落に注意
日本国内の景況感の悪化から期待が高まっているのが、10月30日(火)に予定されている日銀による追加緩和。
産経新聞が「資産買い入れ額100兆円規模」と報道したことにより、欧米勢からの円売り需要は依然旺盛で、2カ月や3カ月で81円や82円のオプションの購入が目立っているようです。
このため、今週(10月22日~)米国株が急落するシーンがあったのですが、その局面での米ドル/円の下落は限定的でした。
日銀への期待感が高まっているため、10月30日(火)の日銀の発表までは米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は底堅く推移するでしょう。
しかし、日銀の発表後、一度sell the fact(事実売り)で円高に振れるリスクが高まっているため、その点は要注意です。
ただ、日中関係の悪化が中国向け輸出を冷やすといった新たな不安材料も出ており、円安基調は変わらず。
米ドル/円は、80.50円、81.00円といった節目にあるバリアに阻まれ、反落する局面を繰り返しながら次第に上値を切り上げていくのではないでしょうか。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
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