■6月末は期末要因で米ドル買い・円売りが持ち込まれた
先週末の6月28日(金)は月末であるのと同時に、本邦企業にとっては第1四半期末、欧米企業にとっては中間期末という節目の日となりました。
特に為替市場では、期末特有のフローが久しぶりに本邦サイドから観測され、日本国内から外物への投資意欲が強いことがうかがわれました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
前日の6月27日(木)からその傾向は顕著となり、ロンドン時間8時(日本時間:16時)のフィキシングでの米ドル買い・円売りが観測されたばかりでなく、ロンドン時間16時(日本時間24時)のフィキシングでも、まとまった米ドル買い・円売りが持ち込まれています。
公には数字が明らかになっていない、私募債での募集が大手証券で実施されていますが、個人とは違って機関投資家からの資金が「1000本(1本=100万ドル)弱集まった」との声も聞かれています。
6月末はボーナス月とあって、個人向け外貨建投信の設定本数も、月末の2日間で40本を越えた模様。相場の落ち着きとともに、米ドル買い需要が高まりつつあることの証です。
7月に入っても、欧米のマクロファンド勢を中心に、連日米ドル買い・円売りが続いていますが、市場からは「これまで縮小していた米ドル/円のロングポジションを再び構築し始めている」との声も聞かれているとおり、新たな戦略的ポジションとして、円売りを仕掛けているようです。
■ポルトガルの事態は深刻か。ユーロ売り強まる可能性あり
また、本日(7月4日)公示された参議院選挙をにらんで、3週間物や1カ月物のドルコールオプション(米ドルを買う権利)も大量に取引されています。海外勢の選挙結果を受けた、アベノミクスへの期待感の強さが鮮明となりました。
ただ、「地雷」はそこら中に転がっています。
先週(6月24日~)から短期金融市場や株式市場が不安定な中国や、次回融資が危ぶまれているギリシャのほか、財務大臣に続いて外務大臣まで辞任してしまったポルトガル、事実上の軍事クーデターが勃発したエジプトなど、暑い夏の到来とともに市場のリスクも高まっています。
特にポルトガルの事態は、救済を受けている政府が、これ以上、緊縮財政を進めることが国内政治的に不可能な状態となっていることを示しています。
ユーロ圏としての新たな対応が、催促されることになります。
ユーロ/米ドルは、投機筋中心に根本のポジションがロングとなっていることもあり、ユーロ売りがさらに強まる可能性も出てきました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
それにしても、米国の経済状況は依然として堅調…
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