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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

ポルトガル、エジプトなどの「地雷」はあるが
米経済は堅調! ドル高はしばらく継続!

2013年07月04日(木)19:54公開 (2013年07月04日(木)19:54更新)
今井雅人

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■6月末は期末要因で米ドル買い・円売りが持ち込まれた

 先週末の6月28日(金)は月末であるのと同時に、本邦企業にとっては第1四半期末、欧米企業にとっては中間期末という節目の日となりました。

 特に為替市場では、期末特有のフローが久しぶりに本邦サイドから観測され、日本国内から外物への投資意欲が強いことがうかがわれました。

米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

 前日の6月27日(木)からその傾向は顕著となり、ロンドン時間8時(日本時間:16時)のフィキシングでの米ドル買い・円売りが観測されたばかりでなく、ロンドン時間16時(日本時間24時)のフィキシングでも、まとまった米ドル買い・円売りが持ち込まれています。

 公には数字が明らかになっていない、私募債での募集が大手証券で実施されていますが、個人とは違って機関投資家からの資金が「1000本(1本=100万ドル)弱集まった」との声も聞かれています。

 6月末はボーナス月とあって、個人向け外貨建投信の設定本数も、月末の2日間で40本を越えた模様。相場の落ち着きとともに、米ドル買い需要が高まりつつあることの証です。

 7月に入っても、欧米のマクロファンド勢を中心に、連日米ドル買い・円売りが続いていますが、市場からは「これまで縮小していた米ドル/円のロングポジションを再び構築し始めている」との声も聞かれているとおり、新たな戦略的ポジションとして、円売りを仕掛けているようです。

■ポルトガルの事態は深刻か。ユーロ売り強まる可能性あり

 また、本日(7月4日)公示された参議院選挙をにらんで、3週間物や1カ月物のドルコールオプション(米ドルを買う権利)も大量に取引されています。海外勢の選挙結果を受けた、アベノミクスへの期待感の強さが鮮明となりました。

 ただ、「地雷」はそこら中に転がっています。

 先週(6月24日~)から短期金融市場や株式市場が不安定な中国や、次回融資が危ぶまれているギリシャのほか、財務大臣に続いて外務大臣まで辞任してしまったポルトガル、事実上の軍事クーデターが勃発したエジプトなど、暑い夏の到来とともに市場のリスクも高まっています。

 特にポルトガルの事態は、救済を受けている政府が、これ以上、緊縮財政を進めることが国内政治的に不可能な状態となっていることを示しています。

 ユーロ圏としての新たな対応が、催促されることになります。

 ユーロ/米ドルは、投機筋中心に根本のポジションがロングとなっていることもあり、ユーロ売りがさらに強まる可能性も出てきました。

ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

■米国経済は依然堅調! 米ドル高は続くだろう

 それにしても、米国の経済状況は依然として堅調です。先週の住宅関連指標なども引き続き強い地合いとなっています。

 今週末(7月5日)の6月米雇用統計を見極めたいところではありますが、トレンドとしての雇用指標の回復は、大きく崩れることはないと思っています。

米雇用統計(非農業部門雇用者数変化と失業率)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移

米国が主導して世界経済の回復を遂げる、という現在のメインシナリオは健在であり、数々の「地雷」に遭遇しようとも、それさえもうまく飲み込んでいくのではないでしょうか。

 米長期金利も一時のショックからは立ち直り、バーナンキFRB議長の真意が次第に市場に浸透しつつあります。米ドル高傾向は、やはりしばらく続くとみています。

■豪ドル売り材料は織込み済み。いったん下落局面終了か

 最後に1つだけ注意しておきたいのが、豪ドルの動きです。

 7月2日(火)の豪RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])理事会では、政策金利を市場予想どおり2.75%の据え置きとしましたが、同時に公表された声明文では「豪ドルは、4月初旬から10%程度下落したが、引き続き高い水準にあり、一段と下落する可能性がある」と言及。

豪ドル/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足

 さらなる利下げの余地があることにも触れていたため、次回の利下げを示唆するもの、と受け止められています。中国市場の不安定な状況も加わり、市場では相当の豪ドルの売り持ちが形成されてしまいました。

 市場は常に行き過ぎてしまうものではありますが、すでにこうした売り材料が織り込まれていることを鑑みれば、いったんは、この下落局面は終わる可能性が高いのではないでしょうか。


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