昨日はドル円がアジア時間で何とか102円台をキープし続けたが、欧州序盤にかけて下がってきた。101円台も見るようになってきたが、前日の安値が101.83だったので、あまりここからはショート攻めしたくはない。どうせならば101.80を下回ってからでもよさそうだ。出遅れても保険が効いているようなものだ。ユーロドルも1.36台に乗せていたのだが、時間とともに垂れてきた。
いつもならば欧州の金利会合でPCの前で待ち構えてるようなことはしていない。だいたい、ほとんどが予想通りだからだ。待ち構えるならば、1時間後のドラギ総裁の会見の方が重要である。しかし今回は違った。前回のECB理事会ではサプライズの利下げを行ったのだから、何もないと思ってはいても、画面の前に張り付いていないといけない。
そうするとイギリスの方から「海外投資家には不動産のキャピタルゲインには課税をする」という財務相のコメントが流れてきた。BOE(英中銀)の結果発表も控えていたので、このニュースには反応が薄かった。イギリスも多分に漏れず、バブル的な地価になっているそうだ。社会問題にもなりつつあるようで、こうした投機に対処するのは時間の問題であったろう。
しかしこれは経済的にはリスクオフの方向で働く。リスクテークをモロに妨げるのだから、当たり前である。そこで私もポンドを売りたいと思ったのだが、マーケットのほうでもBOE待ち、ECB(欧州中銀)待ちで動きづらそうにしていたので、思いとどまった。
さてBOEは変更なし。そしてECBも変更なし。アメリカの経済指標はいずれも良かった。GDPの改定値もプラス3.6%などという最近ではまれなハイレベル。失業保険の数字も最近はブレやすのであてにはしたくはないが、それでも良かった。ドルの全面高が進んで、ユーロドルも50ポイントほども下がった。私はポンドを売りたいと思っていたのだから、たぶんユーロポンドをロングにしていただろう。そしたらこのユーロの下げでおそらくはヤラれてしまったので、ラッキーだったかも。
少し遅れて、今度はECBからの来年の成長見通しが出た。上昇修正をするものだ。これは純然たるユーロ買いの材料と取ってもいい。私はユーロ買いとポンド売りの材料がうまく重なったと思って、今度こそユーロポンドをロングにした。
ユーロポンド0.82台まで差し込んでいたものが、すでに45ポイントも急上昇してきている。私も遅ればせながら、0.8336でロングに。ユーロポンドは重い通貨ペアなので、10ポイントもアゲインストは耐えたくはない。だからとりあえずは0.8330に売りのストップ注文だけ置いて、後は戻り高値から逆算したトレイリング態勢に入った。
この成長見通しに反応したものか、ユーロドルが急上昇。GDPなどでドル買いになったところから100ポイント近くもユーロが上昇している。お陰でユーロポンドも堅調。結果的にはユーロドル単体でもよかったのだが、久しぶりにユーロポンドで30ポイント以上も取れたので、たいへん気分がよかった。ニューヨーク市場では米国株がまたも続落。ちょっとリスクテーク方向には向かいづらい状況となっている。
さて今日は朝からドル円が堅調だ。夜の雇用統計が良いだろうという観測も強くなって来ているからもある。11月発表のときと同じように、コンセンサスの反対で攻めようかなと考えている。このまま良い数字、例えば20万人の増加とか出てきても、今週はすでに長期金利も上昇してしまっているし、ドル買いにもなりにくいだろう。今週はずっと下げている米国株が反転するような状況になれば別だが、むしろ雇用の数字が悪い方が長期金利の低下、そしてドル下落となりやすいのではなかろうか。
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