昨日の欧州序盤は、ドル円は101円台の中盤、そしてユーロドルは1.35台の前半にあった。年初からのユーロ円の下落を物語っているように、ドル円もユーロドルも今年の最安値から100ポイントもない位置につけている。新興国の通貨安が一服したからといって、決して気が抜ける状態ではないのである。
1月を通してもユーロドルは200ポイントほどのレンジ幅だったので、実際にはあまり動いていない。それでも1.34台とかを見せられると、やはりユーロドルは下げ傾向なのかと思ってしまう。そういう状態では、いつ1.34台に突っ込んでもおかしくない状況で、アメリカの経済指標の発表となった。
失業保険は予想よりも悪くて、一方で貿易収支は予想よりも赤字幅が大きかった。翌日に雇用統計を控えているので、どちらかというと雇用関連のデータにより反応するかと思われたが、結果を見るとドル安で反応した。つまり貿易赤字に反応しことということだ。
ユーロドルは短期的にショートが溜まっていたということもあったのだろう。ユーロドルは急激に反発し、1.36台まで上昇。ドル円も101円割れを狙う。私もドル売りで臨もうと思ったのだが、昨日は新興国通貨の反発の度合いが激しかった。トルコリラもブラジルレアルも強い。
うー、この状況ではドル円を売っていっても、しかる後にリスクテークということでメクリ上げられるのではないかという恐怖もあった。まあ、翌日は雇用統計だし、そっちに専念しようと思い直して、昨日は早々に寝ることにした。まだ、風邪っ気も抜けてないし…(笑)
ニューヨーク時間ではやはりリスク許容度の回復が相場の行方を決定したようだ。久しぶりに米国株は大きく上昇。ドル円も102円台まで戻してきた。ユーロ円は欧州時間よりも2円近くも上がっている。それほどリスクに植えていたことの現れかもしれない。
さて雇用統計だが、就業者数は18万人くらいの増加が見込まれている。先日、発表されたADPの民間調査でもそのくらいの数字が出ているので、大きく外れはしないだろう。問題は前回の発表分の改定値である。前回、悪かったのは上方修正されるのかどうか。もしそうならば相当なリスクテークが起こるのではないかと思われる。
その反対に、今回の就業者数も前回と同じように10万人を割りこんでくるとまではいわないが、かなり低い数字であった場合には、アメリカの雇用に完全に疑いを持つことになる。その際にはかなり大きな株価の調整を含めたリスク回避が起こるものと考えられる。あらかじめポジションを作っておくのは危険がいっぱいなので、今回は発表されてから、マーケットの反応を見てから手を出すという作戦になる。
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