■NZ中銀の利上げサイクル停止でNZドル急反落
みなさん、こんにちは。
前コラムでご紹介したRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の金融政策決定会合が本日、日本時間7月24日(木)早朝に行われました。
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●乳製品価格8.9%低下でNZドルが急落! NZ中銀は政策金利据え置きとの思惑も!?(7月17日、西原宏一)
政策金利は、0.25%引き上げられ、3.50%へ。

これはコンセンサスどおりであるため、まず「セル・ザ・ファクト(sell the facts)」で、マーケットはNZドル売りで反応。
そしてマーケットにインパクトを与えたのが、声明文での「今後の利上げのペースは経済状況次第」との内容でした。
これはRBNZによるいったんの利上げサイクルの中断を意味します。

(出所:米国FXCM)

(出所:米国FXCM)
マーケットでは、2015年半ばまでに、政策金利が4.25%程度まで上昇することを織り込みつつあったため、利上げサイクルの停止は、マーケットの思惑と大きく乖離します。
加えて、「NZドルの水準は不当かつ持続不可能であり、大幅に下落する可能性がある」とのコメントも追加されました。
これは、いつもの通貨高(NZドル高)牽制コメントですが、今回はこのコメントも通貨安誘導に寄与します。
■なぜ、今回は「通貨高牽制コメント」が効いたのか?
これまでRBNZが利上げを繰り返している中では、いくら「通貨高牽制コメント」を繰り返しても効果はありませんでした。これは、「利上げと通貨安誘導」は矛盾するからです。
ところが今回は、利上げサイクルの停止とともに「通貨高牽制コメント」が追加されたため、マーケットは即座にNZドル売りで反応し、本日、7月24日(木)のNZドル/米ドルはすでに150pips急落しています。

(出所:米国FXCM)
エコノミストの間では、来年、2015年に再び利上げサイクルが始まるという予測が多いのですが、逆にいえば2014年年内の利上げ予測は大きく後退。
実際、来年、2015年に関しては、RBNZ自体も予測は難しく、そのため「経済状況次第」と表現しているわけです。
これで、バイアスは「中立」。
連続利上げを織り込んでいた為替マーケットはNZドルの利益確定を急いでいるという展開です。
NZドルは対米ドルのみならず、NZドル/円、豪ドル/NZドル、ユーロ/NZドルと軒並み下落。

(出所:米国FXCM)
当面、NZドル/米ドルのみならす、NZドルクロス(米ドル以外の通貨とNZドルとの通貨ペア)の下落にも注目しています。
■豪ドル/NZドルのショートが巻き戻される可能性
NZドルクロスの中でも注目しているのが豪ドル/NZドル。
豪ドル/NZドルは2011年春先の1.3800ドルから続落。
しかし、このところのRBNZの連続利上げにも関わらず、1.05ドルレベルがサポートになり、豪ドル/NZドルは下げ止まっていました。

(出所:米国FXCM)
そして本日、7月24日(木)のRBNZの発表後、1.10ドル台に急騰しています。
豪ドル/NZドルは長期にわたって続落しており、多くのヘッジファンドがこの通貨ペアに注目して保有している傾向があります。
本日、7月24日(木)のRBNZの発表により、この豪ドル/NZドルのショートが巻き戻される可能性が出てきました。
RBNZの連続利上げの停止により、反落を始めたNZドル/米ドルやNZドル/円のみならず、豪ドル/NZドルの動向にも注目。
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