■消費者物価指数の発表を受けて豪ドルが上昇!
今週(7月21日~)は、オセアニアの2つの国に関しての動きがあったので、まずその話から始めたいと思います。
最初は、オーストラリア。
昨日7月23日(水)、2014年第2四半期(4~6月期)のCPI(消費者物価指数)が発表されました。前年比で3.0%のプラスという結果でした。第1四半期が2.9%だったので、それよりも少しではありますが、上昇した結果となっています。
第1四半期のCPIが発表されたときは、確か予想では3.2%程度のプラスを見込んでいましたが、これを大きく下回る結果となりました。これで一気に利上げムードが冷え込んでしまい、豪ドルは急落しました。
今回は、市場予想と同じ数字ではありましたが、少し上昇したということで利上げムードが高まったほか、同時に発表されたトリム平均(簡単に言えば最大値と最低値を取り除いた平均値)の数字が予想を上回る強い結果だったことなどを受けて、豪ドルは上昇しています。

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■いずれ利上げムードが高まって豪ドルは強くなっていく
私は以前から、「いずれオーストラリアでは利上げムードが高まって豪ドルは強くなっていく」と言ってきましたが、そういう動きにもなってきたのかなと、少し期待をしています。
【参考記事】
●支持率低下の政権が必死で株価引上げ?オセアニア通貨買いをしつこいくらい推奨(7月3日、今井雅人)
●公的マネーで株価吊り上げる官製相場に?オセアニア通貨は金額を絞って長期保有!(6月19日、今井雅人)
●ドル/円が103円手前で失速した理由とは?連続利上げのNZドルを豪ドルが追随!?(6月12日、今井雅人)
■豪ドル/米ドルは、ここ2、3日の動きが大事!
豪ドルは、対米ドルで見ると、7月の初めに上に抜けて一瞬ではありましたが、0.95ドル台になりました。しかし、すぐに失速し、元のレンジの中に入ってしまいました。
今回も、昨日7月23日(水)、また上に抜けてきたのですが、ここ2、3日の動きが大事だと思っています。

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ここで下がらなければ、少し流れが出てくるのではないでしょうか。
■豪ドルの中期的な買い方針は維持したい
一方、対円での豪ドルは、円相場全体が若干円高気味であることで、相殺されてしまっています。

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しかし、他の通貨に対してよりは円安傾向になっているということで、引き続き、豪ドルの中期的な買い方針は維持しておきたいと思います。
■RBNZは2014年に入って4回目の利上げをしたが…
次に、ニュージーランド。
本日7月24日(木)、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])は、政策金利を0.25%引き上げて3.5%としました。

これで2014年に入って、4回目の利上げとなりました。ここまでは既定路線ですが、その後のウィーラー総裁の声明にマーケットが動揺しました。

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総裁は、「今は、金利のより中立的な水準へのさらなる調整を控えた検証の時期とするのが賢明のようだ」と指摘し、今回で利上げを休止し、しばらくは様子を見ることを示唆しました。
また、為替相場に関しては「NZドルは、下落しつつある商品価格にまだ適応しておらず、その水準は不当で持続不可能であり、大幅下落の可能性がある」とかなり踏み込んだ発言をしています。
■RBNZ総裁の踏み込んだ口先介入が…
一国の中央銀行総裁が、為替相場の水準についてこれほど具体的に言及するのは、いかがなものかと個人的には思うのですが、オセアニアの両国は以前からこういう発言をする傾向があるのは事実であり、言ってみれば口先介入をしているということになります。
ただ、「NZドル高を是正するために為替介入をする」といったような能動的な発言ではないので、市場もそれほど激しくは反応していないということなのでしょう。
全体的には、今後、NZドルよりは豪ドルの方に妙味があるのではないかと考えています。
■ユーロ/米ドルは様子見。米ドル/円は細かくトレードを
その他の通貨では、ユーロ/米ドルが少し上がらなくなってきました。ウクライナでの民間航空機撃墜の余波が影響しているのかもしれません。
1.35ドルあたりは一度買ってみたらどうかという話をしてきましたが、あまり効果的なトレードではなくなってきたようです。こちらは様子見としておきたいと思います。
【関連情報】
●動かない、冴えない相場の対処方法とは?ユーロ/米ドルの1.35ドルあたりはロングか(7月17日、今井雅人)

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最後に米ドル/円ですが、これは相変わらずです。あまり動かないという前提で、少し金額を大きめにして、細かいトレードをしてみてはいかがでしょうか。

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