先週はずっとリスクテークが続いた。ドル円も日本株もまったくディップを作らずに上昇。金曜日のアジア時間が終わるころには、ドル円は120円台で、日経先物は17900円台と、いずれも今年の最高値を更新して、なおも高値張り付き。そして欧州時間になっても円売り・株買いの状態に変わりはなく、ぜんぜん雇用統計に向けて様子見という感じはなかった。
発表直前のレベルとしては、ドル円は120円台の中盤まで上がってきていた。ユーロドルは前日のECB会合の失望でユーロ買いになっていたものが、やはりドル高の方向に動いてしまっており、1.23台のミドル。これではいつまた1.22台に突っ込んでもおかしくはない。それだけ雇用統計には期待が集中しており、あまりにも楽観的なので、私としては反対で攻めたくなる。
もうすでにリスクテークの方向のポジションがかなり積まれていると思われたからだ。しかしなかなか下がりもしないから、安易にドル円などを売っていくわけにもいかない。まあ、結果が出てから動いたほうについていくことにしよう。
そして雇用統計の結果はたいへん良いものとなった。失業率は5.8%と予想通りではあったが、就業者数のほうが32万人台の増加となって、久しぶりの大きな数字を見た。それでドル円は利食い売りも出だしていたのに、一気に121円台に乗せてきた。私も追いかけて買おうとしたが、121.06で買うのがやっとだった。
買った瞬間に121.30とかになっているので、よくもまあ買えたものだと感心した。しかしこれだけ急上昇すると反転も激しいだろう。ちょっとでも下がりだしたら、すぐにこのロングポジションはカットするつもりである。
そのように考えている間もない間に、為替レートが下がってきた。これまた追いかけて売らないといけないのだが、121.31で売れた。この際ションステージではドル円は121.40あたりまで高値を付けたようだ。私もとてつもなく高いところを買っているので、下げ局面には必要以上に敏感にならなくてはいけないところ。まあ曲芸みたいなことをやってしまったが、トレンドフォロー・アンド・トレイリングということで、これは仕方のないところだろう。
ドル円はその後にはもう一吹きあって、高値は121.60を超えたりもした。しかしニューヨーク時間のコアタイムはそれほどダイナミックな動きはなかったようだ。米国株は歴史的な最高値を更新はしているが、値幅自体はとても小さい一日だった。経済指標を素直に好感したいのだろうが、これで来年半ばのドルの利上げが決定的になったようなもので、ドル金利の上昇が著しい。そのためのコスト増を嫌気しているので、株価の伸びもイマイチなのだろう。
今週はドル金利の行方にも注目だ。これが純粋なドル買い材料と取られていたときはよいが、かえって株高を阻害するものとなれば、リスク許容度は落ちることにつながる。米国株の伸びが低かったことが、不気味である。
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