■ユーロ/円が暴落する中、米ドル/円は異様な耐性をみせる
繰り返しになりますが、2015年の主役は、米ドル/円ではなくユーロ。
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対円でもユーロの下落はすさまじく、2014年12月のユーロ/円の高値は149.78円ですので、2カ月足らずの間に、約20円暴落しています。
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注目すべきは、ユーロ/円が約20円も暴落するなか、米ドル/円での円高は極めて限定的で、本稿執筆時点でも117円台ミドルで推移。
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ユーロ安がユーロ/米ドルに集中しているだけだと片付けてしまうのは簡単ですが、ユーロ/円が短期間で約20円も暴落すると、通常、米ドル/円はもとより、日経平均も暴落します。
しかし、今回の日経平均は1万7600円の高値圏で推移。
(出所:株マップ.com)
株が堅調である理由は、多くの中央銀行が金融緩和政策を取っているからなのですが、それを考慮しても、この日経平均と米ドル/円の底堅さには驚かされます。
特に、日経平均は米国株が反落しても追随せず、高値圏で推移していることが多くのマーケット参加者にサプライズを与えています。
■2015年に入りGPIFの「株買い・円売り」の規模拡大か
この背景には、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の動向が影響していると言われています。
2015年1月に入ってからの東京市場では、毎日のように、GPIFの日本株買い、米ドル/円の買いというウワサが流れています。
昨年(2014年)後半からGPIFは、「株買い・円売り」に出ていた模様ですが、2015年1月に入って、その売買規模が大きくなっているようです。
これが、ユーロ/円下落による米ドル/円下落の幅を大きく緩和させているようです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
逆にいえば、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円高圧力が弱まれば、米ドル/円は上値をブレイクして、再度、円安のメイントレンドに戻る可能性が高まっていると言えます。
連日、GPIFが日本株と米ドル/円の購入を続けていると言われている中、米ドル/円は押し目買いを継続。
そして、ECBがオープンエンドのQEを導入したことにより、下落幅がさらに拡大し、1.05ドルへ向けた動きも想定されるユーロ/米ドルの動向に注目です。
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