昨日はアジア時間の前半でドル円は117円台の前半でプレイ。その前日のニューヨーククローズでギリシャ問題が深刻化したことによるリスク回避のためだ。しかし結局はドル円の117円ちょうど割れを見なかったことで、反対に底打ち感も出た。そこからグロベックスでの米国株も切り返し。次第に市場のリスク許容度は増大し、それにともなってドル円、ユーロ円も上昇に向かうこととなった。
といってもたかだか20ポイント程度のもの。それでもドル円が117円割れをしなかったことで、117.40とかを見せつけられると、やはり大きく戻ってきたなあという印象は強い。そして前日のギリシャ問題で売りの対象にされていたユーロの反発は大きかった。欧州時間に入ってユーロドルはさっそく1.14台まで値を戻す。
ドイツとギリシャの財務相会談からは何も前向きの合意は得られなかったが、それも想定の範囲内ということだったのだろう。ギリシアの中央銀行にはECBが資金供給を行うという独紙の報道もあったようだ。ユーロドルの押し目は限られており、むしろその後のショートカバーを誘うこととなった。ニューヨーク時間ではユーロドル、ユーロ円が大きく上昇。米国株も反発したことで、マーケットには安心感と楽観的な見方が大勢を占めてきている。
その雇用統計だが、予想では就業者数は23万人前後の増加が見込まれている。先日、発表された民間調査では下振れした数字が出たのだが、それが仮に反映されるにしても20万人の大台を割り込まない限り、マーケットに大きな影響はないものと見られる。またFRBの金利見通しに変更を与えることもないだろう。
むしろ前回の雇用統計のときにもインパクトを与えたが、平均時給の伸びのほうが重要視されそうだ。予想ではプラス0.3%である。これがまた下回ってくるとなると、金融政策にも見直しを迫られることにもつながりかねない。米国株が今年の高値近くにステイしていることを考えると、ダウンサイドリスクのほうに注意を払うべきであろう。
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