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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ユーロ/ドル下落は1992~2000年の再来。
底打ちは2016年以降なのでまだまだ売り!

2015年03月13日(金)17:46公開 (2015年03月13日(金)17:46更新)
陳満咲杜

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■ユーロ/米ドルは一直線にパリティを達成できるのか?

 ところで、市場コンセンサスとなるパリティ(1.0ドル、※)まで、昨日(3月12日)安値から測ると、約500pipsの値幅(米ドル/円で言うと約5円)しかなく、これなら近々一直線に達成できるように見えるが、まったく懸念がないとも言えない。

 一番の懸念事項は、やはりユーロ/米ドルはかなり深刻なオーバーシュートの状況にあり、まったくスピード調整なしでこのままパリティを直接打診することは通常では考えにくい、ということにある。

 しかし、前述のように、2014年半ばから始まったユーロの下落は、通常ないようなスピードでの暴落となってきたから、たかが500pipsの差、問題ないだろうという考え方がある。

 その一方、2015年年初来、すでに1600pipsもの下落を果たしているから、調整なしではさらに500pipsの下落は難しいとの見方もあるわけだ。

(※編集部注:「パリティ」とは等価という意味。ユーロ/米ドルであれば、1ユーロ=1米ドル、すなわちユーロ/米ドルの為替レートが1.0ドルになることを指す)

ユーロ/米ドル 日足

(出所:米国FXCM

 このあたりは難しいところだが、ユーロのスピード調整があったほうが、より健全なトレンドを形成していくので、このまま直接1.0ドルの節目を割らない方が、ユーロ/米ドルのターゲットは下方修正されやすいと言えるだろう。

 言い換えれば、足元までの暴落は、どちらかというとあまり健全なトレンドとは言えない側面があるから、トレンドの持続性に疑問がある。

 その上、ユーロ/米ドルのこれからの下落スピードは、引き続き米ドル/円に影響してくる。

 既述のように、ユーロ/円の下値ターゲット達成は想定どおりとはいえ、米ドル/円の高値更新を伴っていたから、ユーロ安の「スピード違反」が逆に浮き彫りにされている。

■目先は米ドル/円124円台、ユーロ/円133円台が現実的か

 したがって、逆説的となるが、現在、米ドル/円がいったん122円の大台で頭打ちとなっていることも実にユーロ/円のせいであり、米ドル/円のこれからの動向を占うには、引き続きユーロ/円の動向に注意しておきたい。

 筆者としては、ユーロ/円の下落トレンドは息の長い傾向にあり、127~128円台に留まるはずはないと思う。しかし、中短期スパンに限って言えば、ユーロ/円はいったん目標を達成した感が強く、これからいくぶんリバウンドの余地があるのではないかとみる。

 GMMAチャートで見る限り、長期線組(ピンク)から離れすぎると、レートがいったん下げ渋り、また戻っていく習性があることから、3と表示された時点に比べ、より安値を記録している現在、これ以上、レートが長期線組から離れていくのは容易ではないとみる。 

ユーロ/円 日足(クリックで拡大)

(出所:アイネット証券)

 この見方が正しければ、ユーロ/円の下げ一服が、ユーロ/米ドルの下げ一服か米ドル/円の堅調のどちらかを暗示し、また、ユーロ/円の反騰があれば、米ドル/円の上昇加速と相俟って出現する可能性が高いだろう。

 一番現実的なシナリオは、「ユーロ/米ドルはしばらくベアトレンドを維持するが、下落モメンタムが弱くなるか、または安値圏での保ち合いに留まり、その一方、米ドル/円は上昇を加速し、124円台の打診を目指すため、これがユーロ/円の反騰をもたらす」といったところだろう。その時、ユーロ/円が再度133円台を打診することもあり得る。市況はいかに。

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