■ユーロ/米ドル、ユーロ/円は下値ターゲットを早くも達成!
米ドル高一辺倒の市況になっている。ドルインデックスは100の節目にトライ、ユーロ/米ドルは1.05ドルの節目割れを果たし、早くも前回のコラムで提示していた下値ターゲットを達成した。
【参考記事】
●緊張感を持って臨みたい米雇用統計発表。なぜ、注目は米ドルよりユーロ/円なのか?(2015年3月6日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
(出所:米国FXCM)
リンクしたように、ユーロ/円も安値更新を果たし、一時、128円の節目割れで、1月30日(金)のコラムで提示したターゲットを達成した。
【参考記事】
●今回のギリシャ危機は前回より深刻!ユーロ/円下落が春先までドル/円を圧迫か(2015年1月30日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
ユーロ/円の安値打診は、本来、米ドル/円の頭を押さえ込む要素として意識されるが、ユーロ/米ドルのあまりにもひどい暴落ぶりから考えて、米ドル/円の高値更新も自然の成り行きだと映る。
何しろ、ユーロ/円をユーロ/米ドルと米ドル/円の合成と見なした場合、ユーロ/米ドルの下落スピードが通常範囲を遥かに超えていくと、ユーロ/円の連れ安がもたらす円高圧力も希薄になっていくものだ。
■米ドル/円は近々124~125円台を試すか
米ドル/円の高値更新がすでに確認された以上、既述したように、米ドル/円は基本的には近々124~125円台をトライする余地ありとみる。
(出所:米国FXCM)
ユーロ/米ドルは2014年5月高値1.3993ドルからほぼ一本調子に下げ、3500pipsに近い下落幅(米ドル/円にたとえると約35円)を達成し、2015年年初来だけでも約1600pipsの下落幅(米ドル/円なら約16円)を記録している。
主要通貨のユーロがこのような暴落ぶりを演じるのは尋常ではなく、あのスイスショック以来のできごとだと言える。
■過去のチャートとよく似た動きをしているユーロ/米ドル
ユーロ暴落の理由については、巷に解釈があふれているから、今さら説明する必要もないが、ここではやや違う視点でとらえてみたい。
ユーロ/米ドルの月足を観察すればわかるように、ユーロの暴落自体は、2008年高値を起点とした下落波に位置し、1992年高値から2000年安値までの下落波と同じ性質にある。
(出所:米国FXCM)
それはほかならぬ、16~17年サイクルに沿った値動きで、チャート上書かれた「下落トライアングル」の下放れを果たした後の自然な成り行きだ。
つまるところ、歴史は繰り返す。ゆえに、ECB(欧州中央銀行)の量的緩和自体も来るべき時に打ち出された政策で、相場の内部構造を後追いする形で出現した材料にすぎない。
同16~17年サイクルに照らして考えると、ユーロ/米ドルのボトムは、早ければ2016年、遅ければ2017年に形成されるだろう。したがって、ユーロ安トレンドの進行はまだまだ途中で、少なくとも年内いっぱいは、メイン基調としてユーロ安が定着しているだろう。
ユーロ売りに出遅れた方も、まだまだチャンスがたっぷりあると言っておきたい。
ところで、市場コンセンサスとなるパリティ(1.0ドル)まで…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)