■ギリシャがドイツに賠償金を要求し、事態は泥沼化…
そして、ギリシャの財務次官は、ドイツ政府に対し、ナチス時代の賠償金を払えとコメントし、事態は泥沼化の様相に。
ナチス賠償金を要求するギリシャの破れかぶれ
これ程、都合の良いタイミングはないだろう。
ギリシャのユーロ圏離脱がますます現実味を帯びる中、金融支援交渉でドイツと対立するギリシャが、形勢逆転を狙って反撃に出た。第二次大戦中のナチス・ドイツのギリシャ占領に関して、数千億ドルの賠償金支払いをドイツに求めている。
ロイターの報道によると、ドイツのジグマル・ガブリエル副首相兼経済エネルギー相は、この要求を「馬鹿げている」と切り捨てた。要するにギリシャが債務危機を乗り越えるための資金をユーロ圏諸国から絞り出すための策略だ、と断じた。
国際通貨基金(IMF)に対する約4億8700万ドルの債務の返済期限が9日に迫った今週、ギリシャ財務省は初めて公式にドイツの賠償金が3020億ドルに上ると算出した。
これは大変な額だ。2010年にギリシャが欧州連合(EU)とIMFから財政破綻を回避するために受けた2600億ドルの救済策を上回っている。ギリシャが抱える3500億ドルの債務の返済の大きな助けになるだろう。
当然のことながらドイツは、戦時賠償はとっくの昔に解決した問題で、今になってそれを持ち出すのは、ギリシャの債務危機から注意を逸らそうとする「非常識」な試みだと主張している。
出所:News Week
本日、4月9日(木)は、ギリシャのIMF(国際通貨基金)に対する、4億5000万ユーロの返済期限となります。
前述のように、ギリシャから、ナチス時代の賠償金を払えというコメントまで飛び出し、事態は深刻化しています。
■ユーロ/米ドルは再びパリティを目指して下落再開
先週(3月30日~)末、スイスの大手金融機関のUBS銀行も、「Grexit」の可能性を50~60%へ引き上げました。
イースター明けから、いきなり「Grexit」の可能性が高まり、ユーロ/米ドルは下落を再開。
ユーロ/米ドルは、1.0800ドルを割り込み、本稿執筆時点では、1.0751ドルまで下落しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
ユーロ/円、ユーロ/英ポンド、ユーロ/豪ドル、ユーロ/スイスフランといったユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)も軟調に。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 1時間足)
ユーロ/米ドルは、1.04ドル台まで急落した後の調整局面では、6回に渡って、1.10ドル台まで踏み上げるも、1.10ドル台ミドルを抜け切れず、今週(4月6日~)に入って反落しています。
ギリシャ問題が泥沼化し、「Grexit」の可能性が高まる中、ユーロ/米ドルは再びパリティ(1ユーロ=1米ドル)を目指して下落再開。
(出所:米国FXCM)
「Grexit」の可能性が高まる中、ユーロ/米ドルの行方に注目です。
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