■暴落へのムチャ対策で中国市場への信頼は失墜
中国での人民元切り下げを契機として、世界の金融市場が混乱状態に陥りました。状況については、ここでは、解説は割愛します。
【参考記事】
●中国経済悪化で米利上げ先送り説浮上!人民元基準値切り下げで何が起きたのか(8月13日、今井雅人)
●中国ブラックマンデーから衝撃の急落劇!戻りの弱い米ドル/円の上値メドは?(8月27日、今井雅人)
その後、金融市場も徐々に落ち着きを取り戻してきています。中国の経済は正直言って、かなり深刻な状態にあるのではないかと私は見ています。
さらに申し上げれば、中国の株式市場が急落していることに対して、中国当局が空売り規制を強化したり、大株主の株式売却を禁止し、違反したものを厳罰に処するという対応をしたことは最悪でした。
こういうムチャな対策を講じたことで、中国の株式市場に対する信頼は失墜しました。特に外国人投資家は、中国市場から離れてしまうのではないでしょうか。
しかし、中国株式市場は、すでにかなり下落してきているので、ここから強烈な下げが起きるようなことはないと思っています。
(出所:CQG)
であれば、その他の金融市場への影響は、限定的ではないかと思います。
■実体経済の低迷が長期化すると資源価格に影響
一方で、実体経済の低迷は長期化する可能性が高いと考え、その影響がどうなるかも考えておく必要があるでしょう。
一番影響が出るのは、資源価格ではないかと私は考えています。
中国の景気が低迷すれば、原油などの資源価格の低迷は続きます。原油価格も、先物のポジション調整(ショートカバー)で若干戻ってはいますが、これも一時的。またズルズルと下がってくるのではないでしょうか。
(出所:米国FXCM)
■資源国通貨は、急落しないが低迷は続くだろう
そう考えると、資源国通貨にはどうしても下落圧力がかかります。
豪ドル、NZドルなどもすでにかなり下落してきているので、急落はないと思いますが、低迷は続くのではないでしょうか。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 週足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 週足)
ところで、先日…
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