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■MT4の開発元、メタクオーツ社が日本法人を設立!
世界中で利用されているトレードツール、メタトレーダー(MT4※)の開発元であるロシアのメタクオーツ社(メタクオーツ・ソフトウエア)が、2015年10月、日本法人を設立しました。
(※「メタトレーダー(MetaTrader)」にはいくつかバージョンがあり、最新バージョンは「メタトレーダー5」。ただし、現在、日本でもっとも普及しているのは、1つ手前のバージョン「メタトレーダー4」。そのため、ザイFX!でメタトレーダーを紹介する際は、メタトレーダー(MT4)と記載している)
日本法人の名称は、株式会社メタクオーツ・ソフトウェア・ジャパン(MetaQuotes Software Japan Co., Ltd.)。
今後、日本国内では、設立された新会社を拠点に、メタトレーダー(MT4)などのメタクオーツ社製品の販売や技術サポートを展開していくそうです。
設立のお知らせには、「日本の金融機関の皆様ならびに投資家の方々に対して各製品の機能について、日本語で出来る限りサポートさせて頂きます」と記載されており、これで、サポート面でちょっとネックになることもあった「言葉」の問題に悩まされることもなくなるのでは? と期待されます。
■基本操作は日本語だが、取引ツールには英語表記も…
通常のFX取引はもちろん、EAを使ったシステムトレード(シストレ)までできちゃうオールインワンのトレードツールとして名高いメタトレーダー(MT4)。
初心者には、ちょっと難しく感じる面はあるものの、基本的な操作方法は、メタトレーダー(MT4)を導入しているFX会社で用意されている日本語マニュアルなどを見ればわかります。ですが、実際の取引ツールを見ると、問答無用で英語表示されている部分もあり…。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
メニューは、日本語で表示されていますが、「ライブラリ」や「マーケット」などEAを購入したりダウンロードしたりできるコンテンツや、「操作履歴」などの中身は、すべて英語で書かれています。日本のFX会社で提供されている他の取引ツールでは、あまりない状態です。
こうした部分も、すべて日本語で対応してくれるようになるのでしょうか? なってくれると使いやすくなり、うれしいのですが…。今後のサービス展開に期待したいところですね。
■コミュニティサイトMQL5は、日本語対応済み!
メタクオーツ社の日本語サポート強化という面で、すでに強化が始まっているのかな? と思うできごとが、最近1つありました。それは、メタトレーダー(MT4)ユーザーの公式コミュニティサイト「MQL5.community」に、2015年9月、日本語版が登場したという点。
ちなみに、日本語対応が行われた時点で、「MQL5.community」が対応している言語は、英語やロシア語、中国語を含め、6カ国語だそうです。メタトレーダー(MT4)が、ワールドワイドに広まっている様子がうかがえますね。
「MQL5.community」は、メタトレーダー(MT4)を使い倒したいユーザーに便利な公式コミュニティサイトで、無料や有料のEAを入手したり、VPSの契約ができたり、「フォーラム」と呼ばれるコンテンツで、ユーザー同士が、情報収集・交換できたりします。
これまで、「MQL5.community」で使われている言葉は、英語を始め外国語だけだったのですが、お伝えしたとおり、2015年9月に日本語版が登場。
ものによって、若干、翻訳がビミョウ(?)なところはありますが、完全外国語表記の頃に比べれば、うんと使いやすくなっていることは間違いなし。この調子で、日本語でのサポートがさらに充実していくと、うれしいですね。
■タイよりもあと!? 意外なほど遅かった日本法人設立
新たに日本法人が設立されたことで、さらなるサービスの充実が期待されるメタクオーツ社ですが、実はすでに、本国であるロシアの国外にも複数の駐在員事務所を擁しており、アジア太平洋地域では、日本のほか、オーストラリア、中国、シンガポール、タイに駐在員事務所があります。
日本には、FX取引高世界第1位のGMOクリック証券、2位のDMM.com証券があり、業界全体の取引高規模で見ても、日本は、世界的に稀有なFX大国であることを考えると、メタクオーツ社の日本法人設立は、意外なほど遅かったと言えそう…。
若干余談ではありますが、日本法人設立は、タイの駐在員事務所の開設より後だったんだ…。というか、タイにメタクオーツ社の駐在員事務所があったんだ! という事実には、ちょっとびっくり。
確かに、タイ自体は、日本でも不動産などの投資先としても人気の国。経済成長著しい東南アジアを代表する国で、日本企業の進出も盛んです。
プラットフォームの開発を主力とするメタクオーツ社も、「投資」に関わる会社に違いありませんし、そう考えると、日本をはじめ、国外からの投資が盛んな東南アジア地域にビジネスチャンスを求め、早期に駐在員事務所を設けようとするのは、自然なことなのかもしれませんね。
ただ、それでもやっぱり、「日本法人設立は、意外なほど遅かった」という感は拭えませんが…。
■日本におけるメタトレーダー(MT4)の歴史とは?
さて、日本法人が設立され、これからさらなるサービスの充実が期待されるトレードツール、メタトレーダー(MT4)ですが、残念ながら、昨今、日本のFX業界では、その勢力が弱まってきている感じです。
数年前と比較しても、メタトレーダー(MT4)を取り扱っているFX会社は、明らかに減少傾向にあります。
ザイFX!が確認できる限り、2015年10月現在、メタトレーダー(MT4)を利用できるFX会社は、わずか11社ほど。通常のFXと比べると、どうしても少なく感じてしまいますね。
(※2015年10月現在)
なお、ザイFX!のメタトレーダー(MT4)専門サイト「ザイFX!×メタトレーダー(MT4)」では、メタトレーダー(MT4)を取り扱っている主なFX会社の比較表を用意していますので、こちらも併せてチェックしてみてください。
【参考コンテンツ】
●メタトレーダー(MT4)が使えるFX会社を徹底比較!
■YJFX!やマネックス証券などは、すでに取り扱い停止に…
ここで近年のメタトレーダー(MT4)に関する主なFX会社の動きをふり返ってみましょう。
2011年12月にメタトレーダー(MT4)の取り扱いを開始した大手FX会社のYJFX!(旧サイバーエージェントFX)は、2015年3月に取り扱い停止に。また、2013年8月にメタトレーダー(MT4)の取り扱いを開始した大手ネット証券、マネックス証券は、わずか1年3カ月後の2014年11月に取り扱いを停止しています。
振り返ってみると、2011年10月にはメタトレーダー(MT4)をプラットフォームに持つアルパリジャパン(※)が日本で営業をスタートしたり、2013年6月には、同じく外資系で2011年に日本に上陸したOANDA Japanが、業界最狭水準のスプレッドでメタトレーダー(MT4)の提供を開始したりと、2011年~2013年あたりまでは、メタトレーダー(MT4)を取り扱う会社も増加傾向にあったように思います。
(※アルパリジャパンは、2015年1月のスイスショックにより親会社が破綻。営業停止状態に追い込まれ、その後、デューカス・コピー・バンクに買収された)
【参考コンテンツ】
●メタトレーダー(MT4)が使えるFX会社を徹底比較!:取引コストで比べる「米ドル/円スプレッドの狭い順」
その頃は、「あの会社でもメタトレーダー(MT4)導入のウワサが!」 などと、ザイFX!編集部で導入のウワサを耳にすることも時々あり、これからもっと、メタトレーダー(MT4)が盛り上がってくるんじゃないの!? なんて思っていたものです。
■フォローアップ強化で、ユーザー増加へ!?
ところが、盛り上がり切る前に、ご紹介したとおり、YJFX!やマネックス証券などの大手が、メタトレーダー(MT4)から早々に撤退…。メタトレーダー(MT4)は、日本では、いまいちユーザーに浸透し切らないトレードツールだなぁという印象のまま、ここまできてしまっています。
主な原因は、やはり、オリジナルのテクニカル指標を表示できたり、自動売買もできたりするフレキシブルな取引画面の使い方が、初心者にはちょっと難しいという点や取引ツールにあるコンテンツが、英語で表示されていたりする点でしょうか…。
高機能・多機能な反面、フルに使いこなそうとすると、どうしてもちょっと難しいというのが、一般のFXユーザーにとっては、ネックになっていたのかもしれません。
■日本法人設立は、MT4ユーザー拡大の起爆剤になるか?
今回のメタクオーツ社の日本法人設立は、やや尻すぼみになってしまっている日本国内でのメタトレーダー(MT4)普及を加速させる起爆剤となるのでしょうか?
お伝えしているとおり、日本語でのサポートは強化されていくようですし、国内に法人があるということで、メタトレーダー(MT4)を提供する日本のFX会社との連携も密になり、トレードツールに関して、よりすばやいサービス改善が期待できるようになるのかもしれませんよ。
今後の動向に、注目しましょう!
なお、この機会にメタトレーダー(MT4)について、詳しく知りたいという方は、入門コンテンツ、「ザイFX!が作ったメタトレーダー(MT4)入門」をチェックすると良いでしょう。
【参考コンテンツ】
●ザイFX!が作ったメタトレーダー(MT4)入門
メタトレーダー(MT4)の概要を押さえたうえで、興味があれば、ぜひ、利用できるFX会社を「メタトレーダー(MT4)が使えるFX会社を徹底比較!」で探してみてくださいね。
(ザイFX!編集部・向井友代)
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