■パリティを目指すような動きにはならないだろう
昨日、12月2日(水)のNY市場では、一時1.0550ドルまで売り込まれる場面も見られましたが、同水準には、さまざまなオプションなどが設定されていたこともあり、下抜けに失敗した形となっています。
チャートを確認してみると、4月13日(月)の安値1.05205ドルや2015年の最安値となる3月16日(月)の1.0457ドルが重要なサポートレベルとなっていますが、これらを下抜けて、いわゆるパリティ(1ユーロ=1米ドル)を目指すような大きな動きには、なりそうもないと思っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
今週末、12月4日(金)の11月米雇用統計も見極める必要がありますが、いずれにしても、いったんは下値を確認したあと、ショートカバーが入る動きを想定しておきたいところです。
■米ドル/円は、上値を追うより下押す場面を考える時期
また、米ドル/円も同様に、昨日、12月2日(水)のNY市場では、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演で、「長過ぎる利上げの先送りは後の突然の引き締めリスクになる」などの見解を表明。
事実上、12月FOMCでの利上げを想定していることが確認されました。
米ドル/円は、引き続き122円台での執拗な本邦実需勢の買いなどに下値を支えられる展開が続いていますが、12月1日(火)のアジア市場ではWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)が関係筋の話として「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)はECBの追加緩和観測の高まりなどから、短期的にユーロに対する見方がネガティブとなっているために、小額の為替ヘッジを始めた」と報じられました。
これらを実際に確かめることは非常に難しいですが、こういった話が出てくること自体、やはり気をつけなければならないと思っています。
「火のないところに煙は立たない」からです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
FOMCが開催される12月15日(火)~16日(水)までは底堅い動きが続くかもしれませんが、こういったビッグイベントを前後して、利食い売りなどに押されるケースも多く、そろそろ上値を追うよりも、利食いなどから少し下押す場面を考える時期に入ってきているのではないでしょうか。
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