昨日も市場参加者が少なくて、マーケット全体は動意に乏しかった。それでも為替相場では全般的にややドル高が進んだ。ドル円は120円台のミドルまで復活してきたし、ポンドドルは久しぶりの1.47台まで見せている。要因はドル金利が短期も長期も上昇したことにある。それを素直にうけての反応であった。
中国が来年の銅の生産を減らしそうだとの観測がたって、コモディティ全般が底堅い動きとなった。その中で原油相場が持ち直してくると、リスクテークの具合が強まり、米国株は大きく上昇することとなった。
今日で日本の取引所は売買の最終日となる。日本人にとっては、実質的にも年内最後のトレードとなる。今年はさんざんFEDの利上げに振り回された。そこで利上げ期待によってどうであったかを見ていこう。
私としては昨年末にでもアメリカの利上げがあっても不思議はないと考えていた。なぜならばFEDの眼中にあるのは、メインは株価だからだ。もちろん当局は目的が株価だとは言わない。インフレ率だとか、雇用とは言っているが、実態は株価に左右されてきたのが、ここ数十年の歴史である。その米国株が昨年末は大きくラリーした。
現在の非常時の超低金利政策はもう必要ないだろうと考えてもおかしくはない。むしろ正常化としょうして、いち早く2~3%台にまで利上げするべきだという観測が出てきてもよい。しかし実際のFEDの利上げは1年ほど遅れてしまった。
いずれ正常化しなければいけないものを、なぜこうも先延ばしに伸ばしてきたのか。多少の困難では正常化を妨げる理由にはなりにくいはずだ。今年になってからも雇用関連のデータは改善の傾向を強める一方であったし、よほど先行きが見えていないのではないかを疑われるほどだ。
今年の6月にも利上げ観測が高まったが、そこでも踏みとどまった。利上げ期待でドル円は125円台をつけにいったが、利上げしなかったことで2006年につけた高値とダブルトップを形成した格好となっている。
夏場には中国株の急落もあって、米国株もスランプに陥った。そうなるともう利上げできない。FOMCでも外部環境の悪化を理由に利上げを避けた。ようやく12月になって利上げを実施したが、そうした利上げの遅れが ブラジルやロシアの国内経済を痛めつけることになったのはいなめない。やるならば、とっととやってくれというところなのだろう。
今年のドル円の上昇は、それほども見られなかったことになる。120円台を中心に上下5円ほどのレンジ相場で終始した印象が強い。それに比べてユーロドルは、去年は年足でも安値引けしたこともあって、1500ポイントの下げを演じた。そしてその分のシワ寄せがユーロ円に来ている。
日本時間 15時40分
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